2015年11月7日 東芝の上期決算、年間OPは赤字の可能性

決算を受けて、業績を見直すと、結論的には、下期のOPは(リストラ除き)400億円の黒字。年間でOPは赤字500億円。特益除きで、税前1000億円の赤字。これを上期の株売却益2000億円、あと下期に発生するリストラ費用の数100億円で、税前0500億円、最終損益はギリギリ黒字できる程度だろう。

上期は、全体に下ブレ、メモリ価格の下落がきいたセミコン、ライフが下ブレ、コミソリもテックが厳しい。他方、電力社会、ヘルスケアは健闘。メモリは10%価格下落だが、Opm15%程度は維持し、OP額でも健闘、ただ下期はOpmはどこまでで落ち着くかだろう。在庫評価損は、メモリもその他でも計上なし。ただ白色LEDは数十億の

在庫評価損も含めたリストラ費用。PCTVなども含め、在庫がまだ多く、評価損もしていないのでリスクがあろう。

セミコン&ストレージは、下期OP200億円、電力社会OP300500億円、コミソリはテック除きで300400億円、ヘルスケア黒字200億円、ライフがリストラ除きで赤字500億円。他調整が200億円のマイナス。

来期は、NAND市況次第だが、リストラ費用一巡で、OP5001000億円程度。税前500億円、純益数100億円だろう。

OP1000億円以上には、NAND回復、半導体の非メモリ黒字化。PCTVの赤字脱却が必要だろう。

こうしてみれば、ヘルスケアが、メモリ、インフラに続き、第3の柱に浮上してきた。

決算説明会は、土曜にもかかわらず、マスコミが多く、1510分から16時過ぎで、質問時間が30分強しかないうえ、マスコミの質問の半分が、聞いても答えられない訴訟の件だったので無駄な時間を浪費した。おかげで時間内に充ててもらえず。アナリストも当たったのは半分以下。月曜にアナ向けセッションはあるが、決算集中日で出られない。東芝側も、マスコミ向けの時間を設けて一般論30分と、アナ中心の決算のもの1時間とか分けるべきだったし、せっかく土曜なのだから、質問が出尽くすまで延長すべきだった。おそらくCFOも関係者説明など予定があるだろうが。

開示については、出席者からは、まだ不十分だという意見もあったが、かなり改善し、売上内訳詳細や、原発に関する減損の仕組みなど、評価できる。CFOはかなりCFを意識して経営や開示に臨んでおり、FCFの実態は500億円のマイナス、実態のDEレシオが140%であるなど、正直かつ丁寧に解説された。

また、すでに報じられたが、海外原発の和解やM&Aは、ポジティブで、コストアップや訴訟など最大で1000億円近いリスクもあると推定したが、これらは完全に払拭できただろう。なお、M&Aは小額で暖簾など影響は小さい。

半導体では、大分工場のうち、300mmラインとCMOSセンサーはソニー譲渡、売上で300億円、数十億円の赤字分。200mm以下は岩芝と統合、東芝100%子会社の新会社となり、売上1000億円程度、数十億円の赤字だがリストラや不足している200mmラインのファンドリ事業がうまくいけば安定黒字会社に。ここは、更に、他のアナログやディスクリートと統合も含め期待したい。

ディスクリートは売上1500億円程度で数十億円の赤字の会社だが、白色LED撤退で、売上は減らず、数十億円の赤字はなくなる。今回は加賀工場については特になかったが、これも安定収益会社になろう。後工程の再編もあるし、他社との連携も期待。

 急がれるのは、PCTV、白物のリストラ。CFOもキャッシュアウトが大きいことは認識しており、購入部品も多く在庫リスクがある、PCTVが急がれる。2016年度になることはない、と明言された。