2016年3月6日 OLEDとLTPS/LTPO投資はどこまで大丈夫か

 

中国をはじめ韓国、台湾、日本で、OLEDLTPS/LTPOの投資が相次いでいるが、スマホ市場が鈍化する中で大丈夫だろうか、というのは、業界関係者、投資家アナリストに共通の懸念である。報道や各社の発表、SEAJなど業界団体の予測では2016年のFPDの設備投資は20%増、露光機等は40%増もありえそうだ。また、中国企業では、計画は物凄いが、頻繁に変更される上、どこまで信憑性があるか不明な点もあり、さらに、装置によっては供給できないものもあり供給能力を計算するのは難しい。

 

ボトルネック装置からキャパを計算

 

 そこで、ボトルネックになっている装置の動向からキャパを計算する。なお、OLED化のためには、まず、バックプレーンでLTPS/LTPO化投資が必要であるが、これは、既に、LCDでも高精細化で必要であり、ここ数年、設備投資が盛んである。また、パネル取れ数から、G6が中心であり、既にある1000k/月のキャパが、LTPS化されている。ここで必要な装置は、イオン注入装置やレーザーアニール装置だが、中でも、G6向けイオン注入装置は日新電機が独占しており、同社の月産3台程度のキャパは拡大しつつあり、年40台程度には増えるようだが、ここがボトルネックとなっている。

 

 OLEDでは、このバックプレーンをLTPS/LTPO化したうえで、フロントをOLED化するわけだが、ここでのボトルネックは、蒸着機である。アップルも認めたというRGB400ppiを出せるのは、キヤノントッキの機械で、DNPのメタルフラットマスクを使うことが必要である。しかし、キヤノントッキの蒸着機は6G向け一台100億円するといわれる上、年間のキャパが3-4台しかない。