長年東芝を観察してきた、調査会社サークルクロスコーポレーションの若林秀樹主席アナリストは「中期経営計画を策定する際に、損益目標だけでなくバランスシートの目標値も示すべきだ」と指摘する。利益のほか、貸借対照表の在庫やのれん代、借入金の数値を公表することで会計操作の余地が減るからだ。「電機業界は東芝以外でもバランスシートの将来像を開示している企業はごくわずかだ。積極的な開示を求めたい」という。
1982年 一橋大学社会学部(国際関係論専攻)修了。
同年 日立製作所に入社、電子管事業部茂原工場資材部購買課に配属。
非金属材料(特にCRT用蛍光体・黒鉛、半導体・LCD用感光材料)の購買担当
1986年 Hitachi America Ltd.ニューヨーク本社(HAL/NY)にて一年間の業務研修。
Procurement & Technical Service Dept.にて米国製品の対日輸出拡大業務従事
1992年 同電子デバイス(旧電子管)事業部の東京本社へ異動、FPDの市場調査業務を開始
2001年 同ディスプレイ(旧電子デバイス)事業部 事業戦略室(茂原)へ異動
2002年 日立ディスプレイズ発足(分社)と共に出向、事業戦略室に所属
2006年 IPSアルファテクノロジへ出向、事業戦略部門に所属
2010年 パナソニック液晶ディスプレイ(PLD)へ異動、経営企画部門に所属
2018年1月 PLD定年退職
同年2月 サークルクロスコーポレーションFellow Analyst 就任
経歴
1982年 宮崎大学工学部 工学研究科(修士、電気工学専攻)修了。
同年 日立製作所日立研究所 入所。半導体IC、LTPS開発に従事。
1993年 日立製作所 電子管事業部(後の日立ディスプレイズ)へ異動。
TFT-LCD開発。特にTV用IPS-LCDの開発を主な担当とする。
2009年 パナソニック液晶ディスプレイ株式会社へ異動。
FPD技術調査担当(LCD、OLED、QLED、μLEDなど)。
2017年末退職。
2018年1月よりサークルクロスコーポレーションFellow Analyst 就任。
主な受賞歴
・ 2013年(公社)発明協会 全国発明表彰、発明賞
・ 2015年文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)
受賞テーマ 「広視野角で低消費電力を実現したIPS方式液晶パネルの開発」
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20150505/417021/
野村総合研究所、野村證券金融経済研究所、みずほ証券、SMBC日興証券を通じてエネルギーセクターを担当するシニアアナリスト。2007~2008年に経済産業省総合資源エネルギー調査会臨時委員を歴任。
エネルギーの政治経済に下記の方々と共に 塩田 英俊 サークルクロスコーポレーション アドバイザーとして
https://newspicks.com/recommended?ref=index
藤田 研一 Siemens K.K. 代表取締役社長兼CEO
齊藤 三希子 株式会社NTTデータ経営研究所 マネージャー
Aki Mori 金融・企業財務ピッカー / ㍿レノバ CFO
安藤 晴彦 RIETI Consulting Fellow
足立 直樹 株式会社レスポンスアビリティ 代表取締役
大場 紀章 エネルギーアナリスト
上村 昂平 株式会社CSS(再生可能エネルギー関係・データ解析)
小林 和貴 国立研究開発法人海洋研究開発機構 JAMSTEC 書家、プロのスクーバダイバー
辻川 英章 ゼロエネルギー支援株式会社 代表取締役
出光興産
このズレを読み解くカギは、昭和シェルとの合併計画を巡る投資家の思惑だ。創業家が即時抗告した東京高裁の判断を見極める必要があるが、調査会社サークルクロスコーポレーションの塩田英俊シニアアナリストは「合併計画が前進したことは間違いない」と分析。「合併に伴うプラス効果で、長い目で見れば薄まった利益を回復できるとの見方が強い」と語る。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO18958730Y7A710C1000000/
調査会社サークルクロスコーポレーションの塩田英俊シニアアナリストは「今後は新会社の成長戦略を練る段階」と話す。
http://www.nikkei.com/article/DGXLRSVS000039T20C17A7000000/
東芝の今後について1時間強、お話しました。
下記IRのフォーラムで、中名生さんがセルサイド(精密など担当)、矢野さんがバイサイド(食品)、私がNOサイドです。40-50名くらい多数のIRの方が参加でした。装置、精密、制御、計測のIRの方もご参加、お世話になっている方もいらしゃいました。
第12期 IR実践フォーラム 【2月例会】
日時 2017年2月22日(水)13:30-17:00
会場 アイビーホール(表参道)
テーマ アナリストとの対話
内容 ミニパネル 「アナリストがIRに期待すること(仮)」
<ゲスト>
ジェフリース証券 中名生 正弘 氏
アセットマネジメント One 矢野 節子 氏
サークルクロスコーポレーション 代表取締役 若林 秀樹 氏
東芝問題を原子力中心に議論しました。
私以外は、東京財団の平沼光研究員、レギュラーコメンテーターの小黒 一正法政大学教授、豊嶋 広BSJ解説員、住吉美紀メインキャスター、西野志海キャスターで20分弱でした。
http://www.bs-j.co.jp/saturday9/backnumber.html
2017/02/17掲載
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若林秀樹先生(平成29年4月1日着任予定)
ご着任前とはなりますが、若林秀樹先生から寄稿いただいた『鴻海傘下のシャープの復活・躍進に死角はないのか』を掲載いたします。
http://most.tus.ac.jp/mot/column/detail.php?i=1008
http://most.tus.ac.jp/mot/index.php
東芝の半導体事業について、後藤記者から取材。フラッシュメモリー事業について、歴史経緯も含め30分ほど。
【解説③】稼ぎ頭の東芝半導体、その「誤解」と「正解」のすべて
https://newspicks.com/news/2059133/body/?ref=user_848263
東京理科大のサイトにて、4月より東京理科大大学院の教授として着任予定が公開されました。
http://most.tus.ac.jp/mot/h29.php
http://most.tus.ac.jp/mot/news_event/detail.php?i=993
東芝、30年前の危機からの復活をヒントに
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO12289240Q7A130C1000000/
編集委員 中山淳史 2017/1/31 2:07 ニュースソース 日本経済新聞 電子版
東芝は30年前も揺れていた。1987年7月。子会社、東芝機械が外為法に違反した、いわゆる「東芝機械ココム事件」があった。
バブル経済が最高潮に達した時期だった。米国ではこれが政治問題になり、「東芝たたき」が起きた。当時の佐波正一会長と渡里杉一郎社長はそろって退任を表明、東芝は3年もの間、米国の「政府市場」から締め出された。 当時と今は似たところがある。
危機がどちらも米国発だった点を除いても、組織を揺さぶった危機の後で信頼の回復と、主力事業の練り直しを同時に進めることを迫られている点は、同じである。
87年についていえば、当時はまだ「原発」「半導体メモリー」の2本の柱もなかった。それでも、当時を知る東芝OBは「新社長になった青井舒一副社長はとても冷静だった」「辞任劇が電撃的だったせいもあり、社員はむしろ結束したのではないか」と振り返る。
青井新社長が始めたのは、「I(アイ)作戦」という事業再編だった。Iは情報(information)、統合(integration)を意味する英語の頭文字で、「来るべき情報化時代に向けて、勝ち抜ける実力を身につけよう」という呼びかけだった。
今でいう、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」だろう。東芝は当時、分散型コンピューターと重電機器、プラント用制御技術の3つの技術に強く、特に製造業のトータル・ソリューションでは優位な位置に立てるだろうと考えた。汎用コンピューターから撤退していたので難しいところもあったが、当時はすでに分散型処理システムが主流で、十分に戦えると判断したという。
その後、東芝が世界で注目されたのは、DRAMやノート型パソコンだった。2000年を超えると、スマートフォンやデータセンターに欠かせないNAND型フラッシュメモリーも登場する。
原子力事業を含め、東芝には価格や需要変動などでリスクの高い事業が増え過ぎたのかもしれない。00年前後のIT(情報技術)バブル崩壊や08年のリーマン・ショック、11年の東日本大震災が起き、そうした事業がつまずきの原因になったのは疑う余地のない事実だ。
だが、今回の危機で東芝の事業や技術が払底するかといえば違うし、これからも成長は可能だろう。調査会社のサークルクロスコーポレーションの若林秀樹社長は「東芝は画像処理や知識処理など人工知能(AI)を使った技術にも強く、IoTやAI関連の会社として強みを発揮できる」と指摘する。要は、本来のIoTに回帰する、と思えば東芝には成長の余地も大きい。
東芝のメモリー半導体の価値が1~2兆円という箇所です。これ以外にも、最適な相手の条件など。
なお、TVなどの多くのマスコミの論調は切り売り、資金捻出、という印象ですし、この記事も、タイトルはそうですが、半導体に関しては、OBや多くの識者の意見は、私同様に、半導体自身の成長に不可欠とのことですし、論調もそうです。
http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20170122&ng=DGKKZO11979820R20C17A1TZG000
「黒船」が導く外資の人脈、殻破る力に
かつて「黒船」と恐れられたこともあった「外資」による日本企業買収。だが、バブル崩壊後の日本の産業界に不可欠だったのは日産自動車を救った仏ルノーに代表される海外企業の存在でもあった。シャープ再建でもアジア資本が担い手となった。(編集委員 中山淳史)
大阪・堺市にあるシャープ本社。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業からやって来た社長の戴正呉(65)は毎朝7時前に到着し、1階ロビーにある創業者、早川徳次の銅像に一礼してから執務室に向かう。
大阪市阿倍野区にある旧本社近くを通るときは、今も縁者が住む創業者ゆかりの建物の前でこう自問自答しているという。「自分の(シャープでの)行いは正しいのか。しっかりやっているだろうか」
モーレツ戴さん
戴はホンハイの総帥、董事長の郭台銘(66)の信頼が厚い「再建のプロ」とされる。言動には従業員や日本の社会を意識した立ち居振る舞いもあるだろう。だが、わかりやすさと熱意がにじみ、かつてソニーなどとの商談で身につけたという日本語もなかなか。シャープ社員からは「戴さん」と親しまれている。
着任から163日。業績は急速に回復に向かい、シャープは2017年3月期に、3期ぶりに営業黒字化する見通しだ。戴が直接、肉声を公に発することは少ない。だが、聞こえてくるのは「モーレツ」な働きぶりである。
単身来日し、住んでいるのは築30年を超える同社の独身寮「早春寮」。当初宣言した通り、無報酬で1日16時間以上働く日も多い。
工場など国内拠点回りは一通り終え、2巡目に入った。昨年11月12日には海外37拠点を結んでテレビ会議「構造改革進捗・収益確認会」も開いた。参加者は部長級以上の750人。シャープの部品調達の甘さを突き、「なぜもっとコスト削減を考えないのか」と厳しく追及した。会議は10時間を超え、それでも終わらずに翌日も続けた。
シャープがホンハイ傘下に入るのを決めたのは16年2月。日本の政府系投資ファンド、産業革新機構とホンハイの競り合いとなり、国か、外資かの論争が取引先金融機関も交えて巻き起こった。最後は出資金の規模で差をつけたホンハイに軍配が上がった。
日本の電機メーカーが外資傘下、さらにいえば、アジア資本の傘に入るのは初めてだった。国内にはシャープ解体、技術流出を懸念する声もあったが、長年、証券アナリストとして電機産業を分析する若林秀樹(57)は「ホンハイ傘下で正解だった」と言い切る。
理由は3つ。今後の研究開発への資金力の豊富さ、米アップルの「アイフォーン」などを年間数億個単位で受託生産する巨大な生産能力と部品調達網、そして海外人脈だという。
特に注目するのは人脈ネットワークだ。戴を派遣した郭は一代で数十万人(連結)を雇用する巨大受託製造会社を育てた立志伝中の経営者。だが、その真骨頂はアップルなど米IT(情報技術)企業から日本のソフトバンク、日本電産の経営者に広がる人脈ネットワークにある。「シャープの技術を合わせて、色々な事業を世界中で展開できる可能性を広げた」と若林。政府系ファンドではそこまで期待しにくい。
下記です。
http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20170113&ng=DGKKZO11629610T10C17A1EAC000
ニュースぷらす
アナリストやストラテジスト 証券出身、引く手あまた
独自視点や人脈 相場やM&Aで発揮
2017年の株式市場は大発会当日に日経平均株価が昨年来高値をつけ、幸先良いスタートを切った。市場が活況を呈するなか、証券会社で経験を積み独立したアナリストやストラテジストが活躍している。しがらみにとらわれない立場で独自のノウハウや人脈を武器に企業分析や投資戦略を発信し、投資家や企業の力強い味方になっている。
長年、一つの業界を見続けてきた強みを武器にした独立組もいる。14年にサークルクロスコーポレーションを立ち上げた若林秀樹氏(57)の専門は電機業界だ。1986年に入社した野村総合研究所を皮切りに、大手証券で企業の栄枯盛衰を見てきた。「初心に戻って調べ直したい」と独立し、企業取材は年約400回に及ぶ。4月から私立大学大学院の専任教授として新事業創出などを教える。「知見をビジネスに役立ててもらえたら」と意気込む。
4月以降は大学が主で、こちらは非常勤となりますが、肩書き・立場を変われども、No Sideのアナリスト活動は、これまで通り、さらに強化深化していきます。ご期待ください。
BSジャパン「ニッポン激論納め2016」で、鴻海によるシャープ買収問題を賛成派、反対派に分かれて、激論しました。
50分収録をを20分に圧縮したので、けっこうカットされてました。
東京理科大MOTであるイノベーション研究科の坂本先生のコースで講演しました。
熱心な質問がでました。
2015年1月に次世代のCFOを育成すべく創設された一橋大学財務リーダシッププログラム(HFLP)で、伊藤邦雄先、加賀谷哲之生司会の下、経営重心を中心に、一流上場企業のCFO候補の方、40名に講義しました。1時間強プレゼン、1時間質疑討論で計3時間、非常に活発で密度の濃い議論ができました。
http://hflp.jp/program/lecture_design/
経営重心について、昨年、出版してから、1年以上がたち、経営重心2.0、3.0とバージョンアップもされ、ケースも増えたので寄稿します。5日連続で掲載です。
https://newspicks.com/news/1812618?ref=user_848263
【若林秀樹】企業によって異なる"時間感覚”と"ボリューム感覚
https://newspicks.com/news/1812619?ref=user_848263
https://newspicks.com/news/1833793?ref=user_848263
https://newspicks.com/news/1812620/body/?ref=user_9324
https://newspicks.com/news/1812621/body/?ref=user_9324
「東芝がまっとうに戻るためには」 過去と決別、緊張感回復を 編集委員 西條都夫 2016/9/19付
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO07407190Y6A910C1TJC000/
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長年東芝を観察してきた、調査会社サークルクロスコーポレーションの若林秀樹主席アナリストは「中期経営計画を策定する際に、損益目標だけでなくバランスシートの目標値も示すべきだ」と指摘する。利益のほか、貸借対照表の在庫やのれん代、借入金の数値を公表することで会計操作の余地が減るからだ。「電機業界は東芝以外でもバランスシートの将来像を開示している企業はごくわずかだ。積極的な開示を求めたい」という。
IOT特集の中でのソフトバンクのARM買収メリットについてです。なお、取材は8月上旬で1時間以上でした。
なお、News Picksにも、寄稿しております。
https://newspicks.com/news/1717636/body/?ref=search
こちらです。多くのご意見頂きました。あくまで、この時点での見解です。
https://newspicks.com/news/1717636/body/?ref=search
ソフトバンクのARM買収に関連して引用です。
なお、その先週号のベンチャー特集で、ブログで取り上げた青電舎が、紹介されてます。
http://www.circle-cross.com/2015/09/02/2015年9月2日-ハプティック離陸で注目される日本電産と青電舎/
http://www.circle-cross.com/2015/08/28/2015年8月26日-ハプティックは30年ぶりのユーザーインターフェース技術の革新/
NHKで、ソフトバンクによるARM買収の件でコメントが引用されました。「買収は今しかなかった」
5年前ならARMもスマホも流動的。5年後ならIOTは決まっている。
日経新聞 伊原記者の記事です。TSMC、鴻海、両方とも、受託生産で、スマホ依存ですが、業績や株価の差が拡大しています。ファウンドリとEMSの差についてコメントしました。
鴻海は7万人削減 人海戦術モデル曲がり角
シャープ買収は垂直統合を志向する戦略で、弱みだったブランドビジネスや技術開発力の補完を狙っている。郭台銘董事長は「第二の創業だ」と力を込める。
調査会社サークルクロスコーポレーションの若林秀樹主席アナリストは「台湾の受託生産ビジネスが主導してきたIT製品の水平分業は転換点にある」と指摘する。参入障壁が比較的低く、競争が激しいからだ。
一方、TSMCが特化する半導体では「技術開発や設備への巨額投資が必要な半面、製品力で顧客を囲い込みやすく、利益率も高い」(若林氏)。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDX14H0G_U6A710C1FFE000/
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDX14H13_U6A710C1FFE000/
OKIのEMS事業に関する薬記者の記事でコメントが掲載されました。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO0388405021062016X13000/
EMSで製造する品目の多くはスマートフォンやパソコンといった情報通信機器だ。1つの品目について年に数十万台以上生産することで1台あたりのコストを引き下げて利益を出す。
一方、OKI本庄工場で製造しているのは、プリント基板や産業機器向け電子部品、医療機器、セルフ給油機など多岐にわたる。電機業界に詳しいサークルクロスコーポレーション(東京・中央)の若林秀樹社長は「OKIほど幅広いEMS事業を手掛けている企業は珍しい」と話す。
シャープ株主総会を前に鴻海の件などコメント掲載です。
シャープの今期業績動向や鴻海との課題など。
SMBC日興証券の桂アナリストと一緒に出ております。
『最近の日本の電気電子産業と将来』
――主として国内及び中国市場展望――
日時 2016年6月17日(金)15時~17時 講演会 無料
場所 東京大学山上会館002号室
理事長の有山正孝先生、副理事長の藤崎博也先生、山脇道夫先生、紺野先生はじめ、殆どが東大名誉教授という、錚々たるメンバーを前に緊張しましたが、皆様熱心に聴いて頂き、活発な質問を頂きました。流石、すぐに経営重心®の本質を御理解いただきました。
http://jcst.in.coocan.jp/index.html
なお、30年来の友人の戴志堅(現在、中原隆志)社長(第一期中国からの国費留学生)も来てくれました。http://www.cathay.jp/company/index.html
日経ヴェリタス特集「ニッポンの電機 逆襲」に連動した番組で、経営重心®とジャパンストライクゾーン、信長、秀吉、家康、と比較して解説しました。
取り上げられたのが、キーエンス、村田製作所、三菱電機、それと、日本電産、あと、よくなかった例として、東芝です。
キーエンス、三菱電機は、ジャパンストライクゾーンに入り、いわば「家康型」、村田と日本電産は、右上の「信長型」からジャパンストライクゾーンの「家康型」にシフト、また、かつての総合電機は、膨張拡大主義で事業領域を広げ過ぎ、いわば「秀吉型」と説明しました。
日本メーカーに求められる鍵は、「ジャパンストライクゾーン」の意識と、M&Aやオープンイノベーションだと言いました。
ニッポンの電機の逆襲と称して、新御三家、村田、キーエンス、三菱電機をあげてます。
わたしは、むしろ、キーエンスよりは、日本電産が面白いと思います。村田は、ジャパンストライクゾーンからは外れ、韓国や台湾が強い領域ですが、オーナー系の決断力で、頑張ってます。ただ、クルマや産機あるいは、モジュール化で左下にシフト。日本電産は、HDD向けでは村田同様でしたが、M&A(これも、これからの強い企業の条件)で、左下へシフト。もはや電子部品ではなく、電機メーカーです。ちなみに、村田も、電子部品ではなく、半導体も含めたデバイスメーカーです。三菱電は、まさにジャパンストライクゾーン経営です。
こちらは、まさに、ジャパンストライクゾーンです。このたび、あらたに、電機セクター入りした、日清紡グループのケースです。ここに、日本無線や新日本無線が入ってます。経営重心®を計算する前は、かなり事業領域が広すぎるのではないか、と心配してましたが、実際には、日立や東芝と同じくらいの広さ(約5)です。この程度なら、ホールディング経営で、ガバナンスをしっかり、ポートフォリオ管理管理をすれば大丈夫ではあります。
このジャパンストライクゾーンを意識して、M&Aをし、ポートフォリオを管理することが肝要です。なお、キヤノン、エプソンなど精密機器、TELなど製造装置、オムロンなどFA・制御などがここに入ります。
詳しくは、HPの経営重心®やジャパンストライクゾーンの箇所をご覧ください。
https://newspicks.com/news/1591555/body/
シャープ再建問題に関し、取材を受けました。冨山和彦氏、追手門学院大近藤伸二教授も、掲載されてます。
経営危機に苦しむシャープ。台湾の電子機器受託製造大手・鴻海(ホンハイ)精密工業と、官民ファンドの産業革新機構による激しい争奪戦の末、鴻海の傘下で再建を目指すことが決まった。日本の電機大手が外資の傘下に入る初めてのケース。シャープの再建を巡る議論から見えてきたものは。
国内再編は時代遅れ 若林秀樹・サークルクロスコーポレーション社長
シャープは鴻海グループに入るしかなかった。産業革新機構の提案と比べても、買収金額など条件面は似たり寄ったりだった。しかし、買収後に株を売却する出口を探すファンドと組んだのでは相乗効果が生まれない。さらに革新機構の本当の狙いはシャープ救済ではなく、経営が苦しい機構傘下の液晶パネル大手、ジャパンディスプレイ(JDI)を規模拡大によって助けることのように映った。一方で、日本に鴻海ほどの好条件を出せる企業はなかった。
若林秀樹・サークルクロスコーポレーション社長=東京都中央区で、宮崎泰宏撮影
鴻海の売上高は15兆円超とシャープの5倍以上はある。少し前までは米アップルのスマートフォンをほぼ1社で作っていた。桁違いの生産力や部材調達力に加え、世界中に顧客を持つ鴻海から学ぶ点は多い。規模の経済が働く結果、シャープの部材費は1000億円単位で減る。鴻海の100万人以上の従業員の購買力も使える。生産面でも鴻海の世界中の拠点を活用できる利点は計り知れない。
外資傘下に入る弊害として技術流出が進むと指摘されていた。しかし今回、シャープの液晶技術の流出はないだろう。鴻海が傘下に抱える世界3位の液晶パネル大手・群創光電(イノラックス)はシャープより規模が大きい。2012年から鴻海とシャープは堺市の液晶工場を共同運営しているが、業績は大幅に改善し、リストラや技術流出はない。さらに、鴻海は電子製品の受託製造(EMS)としてアップルなど特定顧客の製品を多く取り扱う。当然その先進技術は鴻海に伝わっているはずだが、流出など聞いたことはない。
日の丸電機が競争力を失う中、鴻海によるシャープ買収が成功する意義は大きい。電機大手を丸ごと外資が買うのは初めて。欧米ではなくアジアの、しかも知名度ではシャープより下と見られていた会社による買収だ。また、EMSのような会社が、基幹部品から最終製品まで1社で作る垂直統合型の会社を買うのも初めてで面白い。うまくいけば同様のケースは増えると思う。
日本の電機業界はプレーヤーが多く、20年近く前から再編期待があったが、あまり進んでいない。この間、世界の産業構造は垂直統合型から、生産を外部委託して得意分野に特化する水平分業型に移行した。だが、日本の企業や役所の発想は変わっていない。今後は製品領域ごとに世界市場で上位3位に入らないと生き残れないだろう。日本の電機業界にかつての競争力はもはやない。今はパソコンやスマートフォンのように商品サイクルが5年以内と短く価格下落が激しいうえ、生産規模が桁外れに大きい製品が主流になり、垂直統合型では対応が難しい。
鴻海はこれまで、郭台銘会長のリーダーシップの下、日米欧企業の工場を買収して技術を取り込み、ゲーム機やスマートフォン、ロボットまで作ってきた。桁違いの決断を迅速にできる鴻海は強い。
再編を検討してきた企業や促した国は、国内再編にこだわり過ぎた。もはや国内再編は時代遅れだ。「日本は強い」という誤解が世界中にある間に、日本企業は外国企業と手を組んだ方がいい。【聞き手・宮崎泰宏】