2015年4月6日 東芝府中事業所において、水素エネルギー研究開発センターの開所を記念して、水素インフラ事業の説明会と、同センターの見学会があった。マスコミと投資家アナリスト合同で、田中社長の挨拶、前川常務のプレゼンがあった。
東芝の水素事業の規模は、150~200億円くらい(エネファームが中心 累計6万台出荷 昨年12月の個人投資家向け説明会資料によると、シェア50%、単年度2万台なので単価100万円)だが、2020年に、1000億円(同資料では政府の累計台数目標140万台、なお2030年530万台目標、ここから推定すると あまり単価ダウンはない?)。水素製造、水素貯蔵、水素利活用(発電、分散電源、エネルギーマネジメント、自動車用燃料電池、ヘルスケアなどが対象。2015年は地産地消型モデルで、水素タンクH2ONEを事業所などに届ける。その後は全体的な大規模ソリューションを狙う。市場規模は、2030年30兆円、2050年160兆円(大半は燃料電池車)の模様。
コンテナの形態をもつH2ONEをあちこちに運び設置することが強調されていたので、関心を持ったので確認すると、「高圧の水素タンクだが、普通のステンレスで外から買い、コストも問題なく、100兆円規模になっても量産は問題ない」とのこと。これは、燃料電池用タンクについては自動車、素材など開発に努力しており、トヨタが「ミライ」関連の特許の無償化に踏み切ったとはいえ、高圧水素タンクの製造は容易ではないように思う。私の知識不足で混乱しているかもしれないが、ミライでは、CFRPが強度に必要であり、その材料コストが50万円するという説もあるが、そのあたりを十分、質問議論する時間がなかった。水素はKg1000円くらいだが600円、将来は500円以下との目標があるが、そこはどう達成するのかも説明なかった。
水素社会は普及しようし、トヨタがリードし、アベノミクスでも重要政策である。原発とも補完するし、再生エネのためにも水素エネルギーは必要である。しかし、それが、現在のエネファームの延長なのか、多くのプラント、機械、素材メーカーが参入している中で、どこが東芝の付加価値か、ビジネスモデルがどうかは解らないので評価のしようがない。ただ2020年はあと5年である。
経営重心理論からいえば、10年以上の長期サイクル、ボリュームも100万個くらいの桁であるから、ちょうどいいだろう。研究開発センターの位置づけとしても実証とPRが主体であるのは、納得できた。今後は、他の研究所との関係や、コア技術について説明が欲しい。