来週14日にシャープの決算と中計が発表されます。中身については、これまでいろいろ報道された範囲でしょうが、やはり、積み上がった在庫が問題であり、赤字の中身にはその評価損もが多いようです。
すなわち、本社や銀行サイドは、在庫を積み上げることに反対だが、亀山の現場で暴走したのでしょうか?もちろん、適切な在庫は必要ですが(「トヨタ生産方式の逆襲」 (文春新書) 2015/1/20 鈴村 尚久 (著)、「利益が見えれば会社が見える―ムラタ流「情報化マトリックス経営」のすべて 」2001/12泉谷 裕 (著) )、見込み生産で汎用品を積み上げるのは危険ですし、それが事業部の利益を良くしようというのは資金が厳しい時に本末転倒です。それゆえ、液晶トップが更迭、CFOが液晶のトップにという人事の噂があるのかもしれません。
今回、セグメント開示の適切化が注目されていますが、在庫について、適切な会計方針をいれるべきではないかと思います。企業毎に適切な在庫を想定し、それを超えた分は引当処理をして、利益をその分減らすとか。また開示という意味では、期末だけでなく、3ヶ月間の平均在庫を参考記載するとか。
ちなみに、私が、2012年9月28日にNHKの番組出演の内容です。まさにデジャブです。私は「当面は安心だが3-5年は不安」とコメントしております。その真意は、当面は直ぐに倒産はしないが、この1-2年で体質を変えないと、また危機に直面するというものでした。残念ながら、この2年は、無為に終わったいるかのように見えます。投資家受けする成長シナリオだけを描き、在庫を積んで利益をよく見せようとする体質は変わっていなかったようです。
以下、NHKのHPより引用
シャープ再建計画 主力銀行から資金支援
主力事業の不振で赤字が続く「シャープ」は、テレビや太陽電池の事業を大幅に縮小し、今年度下半期に営業黒字を目指す再建計画をまとめた。「世界の亀山モデル」等、液晶テレビの市場でブランドを確立した「シャープ」だが、去年は3760億円と過去最高の赤字に。台湾の「鴻海精密工業」と交渉を続けているが最終的な合意には至っていない。「シャープ」は再建計画をまとめ主力銀行から3600億円の融資をうけることになった。 スタジオで、シャープのこれまでの主な事業を見ながら、テレビや太陽電池の事業大幅縮小など、シャープの再建計画について紹介された。また、再建の柱「スマートフォン」は鴻海精密工業との協業の上、海外販売に力を入れることにしていると紹介された。アナリストの若林秀樹は再建計画について「これで当面は安心できると思う。一方で3年後、5年後のシャープの成長についてはまだはっきりしていない」などと話した。鴻海精密工業について「最近では任天堂やアップルの部品はほとんど鴻海が作っており、100万人規模の工場を持っている」と話した。
日本の電機メーカー 生き残りの方策は
アナリストの若林秀樹は日本の電機メーカーについて「世界のビジネスモデルが変わってきており、マーケット規模が大きくなっており、製品サイクルがどんどん短くなってきている。その急速なサイクルと規模に日本の企業はついていけていない。アップルやグーグルなどが世界を支配しているサプライチェーンの力は強い」と話した。また「日本企業は10年持つような長期間安定した、信頼出来る商品を作るべきだ」と話した。「シャープに関しては、成長の種、リソースを切ってはいけない。」と話した。