2015年6月18日 もし日立が半導体液晶を手掛けて無かったら

 日立IRデーに関するレポートで、85年以降のセグメント別グラフを示した。会社側は、89年度以降の全体の営業利益のグラフを示したが、これは当時、今はない半導体や液晶、AV家電等を含んでいる数字である。そこで、もしアップルtoアップルでの比較、これらをやっていなかったら、という分析をしてみる。また、主要子会社を除くケースも表示してみる。もちろん実際には、全社の研究開発費の配分、いろいろなデバイスとのシナジー効果があるので、こう単純ではない。

 いずれのケースも90年度が額では最高益である。半導体液晶等をやっていない場合は90年度の水準が低くなり、その分、2007年度がほぼ90年度と同じになるところが興味深い。また、最高益更新は2013年度であったが、主要子会社が無い場合は2014年度にずれ込むことになる。なお、85年度からの累積営業利益は、半導体液晶は、家電は2000億円弱の黒字、家電は2000億円くらいの赤字であるが、実際には、これにリストラ費用が特損などで計上されているので、加える必要があるが、それでも、半導体液晶は、「早め」にカーブアウトした効果と、64k時代や4Mb16MbDRAMの利益が凄まじかった(赤字もそうだが)がわかる。家電は、リストラが遅かったといえよう。早め早めのリストラが重要である。


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