2015年7月26日 ガバナンス形態やCFO経歴と不祥事の関係

東芝の問題について、報告書を熟読し、マスコミの論調や識者の意見を読み、多くの方と議論させて頂いていると、ガバナンス、特に監査体制やCFOが鍵だという声が多い。そこで、これらの関係について、電機精密業界が中心だが、分析してみる。これは、東芝に限らず、今後の経営のあり方においても参考になろう。

まず、不祥事の内容と、どのサブセクターに多いか。次に、会社のガバナンス形態が委員会等設置会社か否か、さらに、CFOのキャリアパスやCEOや銀行との力関係を比較して、どういうことが言えそうか、限定された範囲だが考えてみる。

 

不祥事の多寡と内容

この30年間について、アナリスト活動を振り返り、一社一社ごとに、不祥事を思い出す。無かった例は殆どないというほど、大なり小なり出てくる。今回のような不適切会計は、例外的だが、よくあるのが、製品事故、談合事件だろう。また会社は関係ないが、多様な社員を大量に抱える大企業では、個人の犯罪も出てくる。防衛庁関連の不正請求も記憶に新しい。不祥事とは言えないが、トップ交替を巡る騒動もある。