7月29日の決算集中日の説明会には参加できす、HPの質疑も含めた映像を視聴、その後、会社主催の8月3日のスモールに参加した。なお、本決算の説明会は質疑の前まで参加し、その後、経営の仕組み及び経営重心について個別取材、また7月2日の会社主催のFA実習セミナーにも参加した(本来はユーザー向けの研修であるがオムロンの制御機器を実際に触って投資家アナリストにも実体験してもらおうというもので大人気)。スモールも実習セミナーも会議室はほぼ満員。
報道もあり先日ブログでも紹介したが、オムロンは、投資家との長期での価値の高め合いを目指し、月次受注の地域別詳細数字や四半期計画など短期的なノイズになり易い情報開示は控える代わりに、中長期での経営力など会社を深く理解する上での情報開示は積極的に努力、かつ個人投資も含めフェアディスクロージャにも配慮している。
したがって、こうしたスモールでも会社を理解してもらうための説明には熱心だが、業績関連の数字など一般に開示していない数字に関しては頑固なくらい非開示であり徹底している。
半日がかりのFA実習セミナーも、会社をよりよく理解してもらうためのものであり、後述するように、オムロンのビジネスモデルの仕組みや強み、製品の強みや収益構造、儲かる秘密が、「ああ、このIAB事業で他社が真似ようとしても大変だろうな、これなら儲かるな、そしてこのIABがキャッシュカウともなって他事業へ転換できるな」というようなことが腑に落ちて体感できた。
いわば、中長期での会社の根っこの力を知りたいアナリストには勉強となる情報を豊富に提供してくれるが、短期業績の上ブレ下ブレにしか関心がないアナリストには難しい会社になってきた。まさに、アナリストの質問力も問われている。
オムロンは、FA関連が多いということは短期では景気の波を受けやすいが、それを他事業や独自の経営力で補い中長期では成長していき、その狭間で株価が形成されるのだろうが、それはIRにおいての短期主義と中長期主義の戦いと同様であり、経営力とIR力が合わせ鏡のようになっている。経営力とIR力、それぞれに、短期と中長期のバランスをどうコントロールできるか、が鍵である。
今回の1Q決算説明会でのポイントは、業績と景況感、DT社のM&A、ガバナンス
7月30日の1Q決算説明会でのポイントは、①業績と景況感、②DT社のM&A、③6月24日に公表されたコーポレートガバナンスポリシーについて、であった。8月3日のスモールも、ほぼ、この内容に沿ったものであった。説明会での質疑、スモールの質疑も、M&A、IABの足元と中国景気、環境でのパワコン、BLのリスク、などが中心であった。なお、ガバナンスも含め、これら以外の質問は私だけ。