来週のアップル新製品登場で、ハプティック市場が離陸する。そこで、Tapticエンジンに既に採用がされているとされる日本電産のモータへの期待が高まる。これを機にアップルだけでなく、アンドロイド系にも広がり、量産効果でコストも下がろう。その結果、優れたユーザーインターフェースから、スマホだけでなく、一気に、全電子機器に採用されよう。
日本電産にとっては、HDD小型モーター以上の、高成長、高収益、高キャッシュフローの事業となり、会社側想定以上に可能性は大きい。
この新触感モジュールは、液晶パネル、タッチ、バックライト、ハプティックの合わさったものであり、電気(静電特性、電磁特性)、機械(振動、強度)、光学(透過、反射など)、材料(硝子やフレキ、金属、液晶材料など)が、微妙に影響しあう。共振をうまく使い最適な触覚を出さないといけないが、液晶分子も振動に弱かったり、それが光学特性に影響したり、難易度が高い。このモジュールでは、主役はもはや液晶パネルではなく、ハプティックを抑えたモジュール側である。
日本電産は、現在、バックライトはやっていないが、同社の金型技術を考えれば十分にできるだろう。そこで、潜在ライバルのアルプスと比べた場合に、アルプスにあって日本電産にないのは、液晶パネルとタッチであり、この技術をどう獲得するかが注目される。このモジュールで全ての技術を把握しながら疑似垂直統合をリードできる企業が勝者となり、アップルにも重用されよう。
比較を試みながら技術の本質を理解する
さて、ハプティックでは、前回、紹介した青電舎の技術にも注目している。そこで、特許公報から得た図を示しながら、日本電産と青電舎の比較を試みたい。強度や応答性などは当然として、それ以外での得失は以下であろう。
なお、この図のものがアップルに採用されているものと全く同じかどうかは不明である。日本電産では、関連、特許を、多数、出願しており、工夫と努力のあとがしのばれ、面白かったが、図に示したものが、最もシンプルである。青電舎も、リニアエンコーダなどの特許を出しているが、示したものが最もシンプルで、関連はこれ以外に1件ある。