2015年9月5日 マスコミ・出版業界を経営重心手法で切る

新聞、雑誌、出版の業界とは、引用されたり寄稿したり、本を出したり、お付き合いは長く多い。とはいえ、私の専門内容は一般向けではないし、NRI時代の上司の教えもあり、基本的に、ビジネス関係に限られている。

出版社の栄枯盛衰の中で

しかし、こうした業界も大きな淘汰の波に洗われている。出版社では、お世話になった工業調査会、電子ジャーナルが消え、多くの良質な知的な出版社もなくなった。雑誌でも、愛読していた日経メカニカル、マイクロデバイス等は統合された。雑誌でも書籍でも、目立つ内容のタイトルは、節税、出世、カネ儲け、モテ術、健康、老後といったものが多い。骨太のテーマは少なく、グローバルの動向からもずれているように思う。

日経もいろいろ

 日経新聞との付き合いもベリタスや金融新聞も含め長く、引用や寄稿では、企業総合、投資情報、マーケット、市況、から、「経済教室」、「日曜に考える」など、アナリストとしては、かなり広いほうだろう。

電子版では、前職で、「ビジネスオンライン」に定期的に寄稿をしていたが、改めて、電子版を見ると、同じ日経で、日経新聞、日経ビジネス、日経××と、多すぎて、どれがどれだか、区別がつかない。記事がどっちだったか意識している方も少ないだろう。日経も、FTを買収し、大きく変わるだろうが、日経BP総研もできたが、どういうマスコミを目指しているのだろうか。

経営重心手法で切る

 そこで、経営重心手法で、マスコミ、出版業界を分析してみる。横軸は、サイクルだが、製造業の場合と異なって、1日の新聞、1週間の週刊誌、月刊誌など、1年以内のものが多い。電子版などは1日より短い。これは、まさに、情報は鮮度であり、賞味期限が短く、モノでないから一瞬で流通するからだろう。また、縦軸は、部数の桁数であるが、電子版などではクリック数などだろうか。クリック数がどの位の部数に換算できるかどうかは今後の課題だ。

右上は通信社、真中は雑誌、左下は老舗出版

 ボリュームが多く、数分というのが通信社であり、速報などを扱う。株価情報などもこの類である。またネットやSNSツイッタとかの類は、メディアか通信か不明だが、有益な情報もあり、サイクルは数分から1時間以内、桁数は上下幅広く分布する。

新聞は8桁くらい(電機でいえば、スマホやPC9)、で1日、週刊誌は、経営重心マップ図でその左下であり、雑誌は更に左下、と進むと、月刊誌、幻冬舎など新興の出版社が出てくる。ずっと左下が教科書や辞典を扱う老舗の出版社である。

周期とボリュームで、扱う内容コンテンツも異なり、右上は、ニュースや刹那的な内容、芸能や不祥事、カネ儲け、オタク情報、となり、左下ほど学術的となってくる。あるいは同じような情報でも、切口あるいは扱い方が、新聞だとニュース的、雑誌だと、やや深堀、さらに本だと、さらに普遍的な内容になってこよう。また、出版社によって、書店の棚取りなどや在庫管理も異なってくる。