今週は、マクロ的に重要なイベントが目白押しだ。14日(月)には東芝1Q決算発表もある。9月15日は、リーマンショックから7年目でもある。
2008年の9月15日は、月曜だったが、その前の土曜か日曜かの快晴の日に、親しい先輩の御尊父で金融業界でも偉大な足跡を残された方の葬儀に参列した。帰りに友人と、私も数回食事をさせて頂いたこともあったので、その思い出や、あるいは波乱の時代を振り返りつつ故人を偲んだ。
その後、景気の話になった時、外資系が長い友人が変なことを言ったことを昨日のことのように覚えている。それは、「15日の月曜に巨大地震がくるかテロか何かがあるようで、それを知っている国会議員やVIPは一時的に日本を離れている」ということであった。彼は時々、意味深なことを言ったり、極端な話でからかうような癖があるので、あまり気にしなかったが、来たのは天変地異以上のものだった。しばらくは、お互い、それどころではなかったので、一段落してから聞いたが、彼も覚えていなかったようだった。
しかし、偉大な金融関係の方の葬儀の帰りの晴れた日の妙な話だけに、これだけではないが、改めて、世の不思議や因縁を感じる。
さて、内外とも金融緩和・バブル相場で、どんどんボラが高まっている中で、半導体などの実態経済は悪化していることが気がかりだ。
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http://www.circle-cross.com/2015/09/09/2015年9月9日-半導体市況の先行き/
調整は長引くのか
状況は悪い中で、一進一退というところだろうか。TSMCの月次売上も、それまで前年同期比で二桁増が続いていたのに、マイナスとなって不安になった6月に対し、7月はプラスに転じ調整は短期かと思ったら、8月は再びマイナスとなった。アナログファンドリのWINSEMIも7月の月次はマイナスだった。DRAMも減産効果で底打ちかという見方もあったが、再び下落に転じた。NANDもやや弱い。
パネル価格もオープンセル32型では70ドルを切り、下位メーカーのキャッシュコスト65ドルに接近中(上位は55ドル)、BOE以外は調整の可能性。5.5インチTPなしFHDも15ドルに接近。主要液晶工場の稼働率は、G5/5.5は60~70%、G6とG8は80%前後である。
スマホ市場の伸びは一桁前半、PCは10%減、タブレットは20%減、TVは横ばいだが前半作りすぎで調整。エアコン向けパワーや基地局が中心の高周波も厳しい。クルマや産機も調整が続いている。
他方、12φウェハー、SAW、ガリヒ素は逼迫、CMOSセンサーもまだ不足のようであり、長期で設備不足の分野か、台数ではなく員数で伸びる分野が強いようだ。
気になる半導体稼働率
そこで気になるのが、TSMC以外の台湾ファンドリーメーカーの10-12月の稼働率が60%になるという話である。TSMCでも、1-3月はフルに近かったが、20nm/28nmの4-6月の稼働率は、4月頃は80%に落ちるという話があり、7月では、それが既に60~70%だったという説もあった。UMCも1-3月は93%だったが、4-6月は70%は割っているようだ。
それゆれ、10-12月に60%台は既に起きている話でもあり、それ以上かもしれない。これは、リーマンショック級である。それで、これまでの統計を検証してみた。SICAS統計でファンドリー項目が入った2002年からの図を示す。なお下図では、4Qを65%として入れている。