日経報道によるとシャープの上期業績は、スマホ向け液晶等の低迷で、従来の100億円の営業黒字から300億円の赤字に転落する模様。400億円以上の下方修正となる。 1Q決算のコメントで下記のように、2Qも赤字継続で1Q以上の可能性、在庫ロスだけで300億円、FCFの3月末比で500億円悪化が実体であり、2Qは500億円以上、1000億円の下ブレの可能性もあると述べており、この報道には違和感はない。
http://www.circle-cross.com/2015/08/02/2015年7月31日-シャープ-ようやく液晶の現実を認識-だが時間の猶予はない/ 以下、斜線「」が、コメントの引用である。「スマホに関しては、それほど市況の見方に関して大きな違いはないが、自らが在庫処分に近い販売で、値下げを加速しているという自覚がないようだ。また、TVに関しては、需要は強いと見ており、違和感がある。さらに、PCやIAに期待しているが、足元はタブレット中心に前年比10%減で推移しており危うい。これに加え、2Qはインセル立ち上げコストや、価格低下がこのまま続けば、在庫評価損も出てこよう。少なくとも5月頃より既に20%は下落しているので、1500億円のパネル在庫なら、300億円のロスが出る計算となる。こうした状況を踏まえれば、2Qも赤字が継続、TV向けも実態は赤字の可能性もあり、在庫評価減も反映すれば、1Q以上の赤字もあり得よう。 想定通りとされた1Q決算だが、FCFは700億円の赤字であり、3月末比で500億円悪化している。これが実態である。(中略)そもそも、中計では、FCFによる管理をするといいながら、1Qの計画数字もなく、上期末の目標もなかった。年度末はFCFの数字には触れず、B/Sのみの説明であった。説明資料にもB/Sは記載はあるが、FCFには一切ない。これが問題だろう。2Q以降は景気悪化、需要減速、価格低下との競争である。キャッシュコスト割れも時間の問題だろう。遅いと、提携交渉も厳しくなり、在庫もどんどん膨らむ。慎重に考えれば、2Qは500億円以上、1000億円級の下ブレの可能性もある。」
液晶市況の悪い状況は変わっておらず、むしろキャッシュコスト割れが近づいており、工場の稼働を止める決断が求められる。ただ、その場合も、液晶中心に業績は悪化、年間で500~1000億円の営業赤字となり、リストラ費用を併せれば最終赤字は2000億円規模の可能性すらあり、再び財務リスクが浮上、液晶分社化や提携が急がれよう。