10月27日 16時~17時で、山田社長以下幹部出席で説明会。最初、少し遅れて参加した分は、HPで視聴して確認。
中長期で評価してほしいとの思いから上期計画の開示はもともとないが、1Qで既に顕在化していた、その他事業のパワコン、BL(バックライト)が厳しく、上/上で、100億円近い減益のうち80億円分を占める。他はSSB、AECが半々、一般的には中国景気懸念で心配されたIAB、EMCは増益維持。
通期業績は売上9000→8600億円、OP900→700億円、NP665→535億円と下方修正された。OPの内訳は、IAB570→550、EMC112→105、AEC93→75、SSB55→35、HCB78→70、その他100→-35であり、その他が殆どを占める。その他の中で、BLとパワコンの内訳は不明だが、パワコンの方が大きいのではないか。
なお、パワコンの売上は2014年度450億円が2015年度は315億円と3割減、BLは同様に450億円が390億円と2割減。パワコンはもともと減収での計画だがBLは増収計画だったろう。今後については、悲観はしていないようだ。パワコンは減少傾向だが底打ちし、ミニグリッドなどで再成長。BLも中国スマホの低迷が背景のようだがハイエンド中心に中期で売上1000億円の達成、また今期の設備投資100億円も不変。もともと、ボラの高い事業であるとは見ていたが変化への対応力が不十分であったことには反省しているとの弁。
中期のVG2020に向けては、ROIC経営のもとでいささかも成長戦略は変えず、ボラの高いBL事業をコントロールしつつ、コアのIABに傾中していく方針。9月にデルタタウ社、10月にはアデプト社を買収したが、Input、Logic、Output+Safetyというオムロンの制御技術にRobtics技術を加え、製品ライナップ拡充するが目的。なお、この2社の買収影響は50億円に過ぎず、むしろ社内シナジーなどが大きい。
また、株主還元150億円、配当性向30%に引き上げるなど、株主重視。
今後、課題のBL、パワコンは、ROIC経営の中で見直しがあろうが、経営重心理論からは、オムロンの中核のIABなどが入る領域、ちょうどジャパンストライクゾーンからは、外れている。
つまり、IABなど主力事業は日本が国際競争力を維持しやすい領域だが、BLやパワコン等環境は、やや外れており、オムロンの経営のスパンの外でもある。これらが、ある分、事業領域は広くなっており、効率は悪い。他方、経営の冗長性や多様性は増しているともいえる。ある程度のボラが許されるなら、多少はこうした事業がある方が長期の布石になることも事実である。