2015年10月30日 アンリツの上期決算と注目点

3010時半~11時半で説明会、20分程度、橋本社長よりプレゼン。今回は、決算とトピックスとして、通信5G動向、PQA関連子会社名称変更、ガバナンスコードなど。質疑は、いつも私がシェア50%以上だが、今回は二人で私が7割であった。他社でもそうだが、折角の機会であり、関心も多い5G動向など、何故質問しないのかが、不思議である。いち早くIFRSも導入したが、私だけだった。他のアナリストが積極的に質問せず、しても足元の短期業績の上ブレ下ブレという何れ時代錯誤的で安もののAIができるような質問をするうちは、老生アナの存在価値はあるだろう。

興味ある会社

 アンリツは、不思議な会社、戦前からの伝統ある会社で、電電ファミリーだったのに、かつては、お洒落な広尾に本社があり、外国人持ち株比率も高かった。同業の電電ファミリ―各社が事業転換に苦戦する中、見事に変身した。アンリツが公衆電話でトップであり、収益の柱であったことを意識している人はもはや少ないだろう。また、80年代から海外M&Aをやって何度か成功、外国人役員登用も早い。特に、海外M&Aでは、Nidecが有名だが、海外はこれからであり、本当にうまくいっているのは、堀場であり、いずれもオーナー系である。サラリーマン系に会社では、非常に珍しい。しかし、あまり、経営戦略のケースにも登場しない。それゆえ、一層、関心がわく。

業績は底ばい再飛躍を待つ

 上期は受注478億円、売上490億円、OP32億円、NP24億円、通期は売上1030億円、OP110億円、NP80億円は不変だが、ハードルは高そう。なお、OPの水準がやや低いが、北米等でのリストラ費用4億円を含む。北米の先行きが不安だが撤退とかでは全くなく、開発、製造共に、通常の人員削減のようだ。またR&Dもやや高水準だが海外のコストが円安で増えただけで想定範囲。

 T&M部門の受注は1Q173億円に対し、2Q165億円、は20億円程度下ブレのようだ。地域別には、モバイル向けで、北米が、QcomNビデアなど、チップセット、端末メーカー共に、リストラモードであり、影響が出ている。NW向けは光デジタル投資せ堅調であり、汎用エレキ向けもモジュールテスト、業務無線がいい。

 年間想定受注は800億円だが、現状では750億円くらいであり、国内は底打ちしたが、下期の北米次第であろう。

PQA部門はコンビニ向けが好調で、上ブレ。OpmT&Mを上回ったことはサプライズである。数10年ぶりの食品工場の設備更新需要の恩恵も受けよう。さらに、中期では、TPP食品輸入の関連も期待できよう。

5Gに期待