日経報道によると、東芝の2015年度上期はOP900億円規模の赤字の模様。傾向的には東芝に関して日経観測記事はほぼ当たっている。上期の営業赤字なら09年度以来。家電の不振に加え、テックがIBMから買収したPOSが減損もあり700億円の損失のようだ。なお、テックは1Q末の株主資産は1500億円程度だが半減する。東芝全体ではコネ社やトプコン株の売却益が1500億円以上あり、純利益は400億円の黒字。ただ、この大半は包括利益を通してB/Sに反映済みなので株主資本の改善にはならない。
報道によると、取締役11人中7人の社外役員の日程が合わないため平日に決算取締役会を開けず土曜日7日に決算発表と異例。奇しくも社外役員制度の問題点も露呈した。
http://www.circle-cross.com/2015/09/16/2015年9月15日-東芝の1q補足説明会で気がついた多くの事/
http://www.circle-cross.com/2015/08/05/2015年8月4日-東芝テックの下方修正-悪化を食い止められるか/
9月時点での四季報やコンセンサスはOP1000億円の黒字、年間では3000億円の黒字だった。上記の記事から推定すると、テックの減損なかりせば、上期OPは200億円の赤字、1Qが100億円程度の赤字だったので、2Qも同額の100億円の赤字だったことになる。私は、上期は赤字、通期でも1000億円以下、数百億円程度の可能性もあると指摘したが、このテックの減損700億円を考慮すると、年間でもOP赤字の可能性がありえよう。
半導体のリストラは進んでいるが、PCや家電のリストラがまったなしだ。また、テックの再編も余儀なくされよう。セミコン社の上場や、紫光集団との提携すら必要かもしれない。IBMから買収したPOSが「ババを掴まされた」のであれば、テックを第三のコアとして府中工場系の制御関連を生かすことも難しい。