去る11月24日に三菱電機が空調冷熱の説明会を行い参加したので報告する。説明者は家電担当の杉山常務(リビング・デジタルメディア事業本部長)で、質疑には事業部門の幹部。同部門の説明会は久しぶりであり、先日のデルクリマ社の買収もあり注目されるところである。
同部門は2015年度計画が売上9900億円、OP540億円。内訳は、空調冷熱が70%、電材住設PV15%、家電AVが15%とされた。OP内訳は非開示だが、大半が空調冷熱、家電AVがトンドン、電材住設はそこそこだろう。以前はPVが好採算だったが今は厳しいだろう。中計では、2020年度1兆円、OPM6%を掲げているが、その先は循環型事業などが増える。市場は海外が多く、基本は地産地消でLT短縮に努力。世界5極のグローバルだがローカライゼーション体制(日、米、アジア、中国、欧州)で、静岡に研究開発とマザー工場の生産拠点、タイに18年に、キャパ700万台体制。市場動向は様々だが、Co2規制対応、デルクリマ社とシナジー期待。
質疑で明らかになった注目点は、空調の採算性が、PAC、LAC、VRFなどの製品ではあまり変わらず、地域依存性が大きいこと。これは地域で規制や文化風土も異なり付加価値の付け方も違うからであり、市場は大きいがローカル性が強く、スマホやTVとは大きく異なる。また、これは外販しているキーパーツのコンプレッサでも同様らしい。かつては、外販は採算が良かったが、中国向けでは価格低下が厳しいようだ。
内製化戦略は、コンプレッサはほぼ100%、冷媒は外部、あと当然、素材なども。チラーについてはデ社のM&Aで強化したが、冷媒は技術が無いし、化学メーカーの領域であり、将来もM&Aはしないなど、ダイキンとは異なる思想である。この技術が無い分野はしないというのは、かつてカーエアコンに参入していたが、やめたのも、コンプレッサ駆動が、通常の空調冷熱と異なる技術であるからだということで興味深い。