各種の展示会は、リサーチの上で大変参考になる。実際のモノを見て、現場の方々にも直接話を聞ける。普段は接触しにくい海外やベンチャー、官公庁研究所の資料も入手できる。ブースの広さや配置、人の波、全体の動きで世の中の大きな流れも想像できる。ほぼ毎年、行っているのはCEATEC、セミコンジャパン(かつては米、台、韓、中も)である。あとは、オモチャ展なども含め、その時の関心次第だ。
国際ロボット展や計測展は初めてではないが、かなり久しぶりである。このロボットブーム故に行っておいて方がいいと思った次第だ。ロボットは、大学の専攻が精密工学だったので、研究者の友人も多く、ファナックには多くの先輩後輩が行き、工場見学も幾度となく行ったので、全く知らないわけではない。
しかし、アナリストとしては担当外だったので、分析面での専門性はない。また、毎年行っているわけでもないので比較感もなく、何がポイントかも不十分だろう。そういう立場での報告ではあるが、サプライズが多く報告せざるをえない。
隔年開催21回目だが前回比5割増の参加で大盛況はCEATECと大違い
国際ロボット展は隔年開催で21回目。今回は、有明ビッグサイトで12月2~5日まで開催。参加は446社・団体(前回比112増)、約1882ブース(同616増)と2013年に比べ1.5倍の規模。
まず、驚いたのは、巨大なロボットアームが、クルマを高速で持ちあげている迫力だが、ブースの広さと、満員電車のような人ごみ、人だかり、もはや今のCEATECにない熱狂と盛り上がりである。
参加者が女性、しかも年配の女性も多い。展示企業も大企業から中小、ベンチャー、老舗から新興、大学まで多様。GE、シーメンス、ABBなども参加し、ほぼ世界の主要企業が参画している。予算もロボットといえば、つき易いのだろうか、バブルのような印象。
CEATECでは、どんどん、かつての大手電機の展示がへり、中国などアジアが増えているが、ここは、まだまだ日本が強い。産業用ロボでは、中国人が多く、ヒューマンロボットでは欧米も多い。
駆け足で産業用、ヒューマン、洗浄、光造形、計測、SCFを回る
4日の午前から4時半まで半日かけ、産業用ロボット、ヒューマンロボット、洗浄、光造形3Dプリンタ、計測、SCFと、駆け足で、ざあっと見たに過ぎないが、考えさせることが多かった。盛り上がり、日本の強さ、既にバブルでもあり、新規参入は容易でない。産業用、ヒューマン用、いずれも、形状や仕組みが一見は似ており、ハードだけにまねされやすく、差別化も大変かもしれない。
なお、計測、SCFは、電機メーカーが多く、慣れていることもあるが、ブースの作り方はCEATECと似ている。産業用ロボットはかなり異なる。このあたりも面白い。
かなり広く、歩き疲れたが、充実していた。CEATECでは1日かければ十分だが、今回は、本来なら3日じっくり見ないといけないくらいだ。来年からは継続的に行く必要があり、電機精密メーカー、半導体メーカーの方も足を運んだほうがいいだろう。