2016年1月30日 アンリツの決算説明会とM&Aの力

 

2910時半より説明会、前日、業績を下方修正しており関心も高く会場は満員。橋本社長がプレゼン、田中副社長、窪田CFOが質疑対応。

 

なお、同社は、来年創業120年だが、これは、マルコーニが無線電信に成功した1895年創業の石杉社を祖であるため。日本海海戦において、信濃丸が「敵艦見ゆ」の信号を発信した発信機は、もう一つの祖である安中電機製。その後、石杉社を祖とする共立電機と安中電機が合併、安立電気となる。

 

業績下方修正

 

 通期業績は、売上1030980億円、OP11072億円、NP8050億円と下方修正。既に上期時点で業績達成は難しそうだったが、来年創業120周年でもあり、最後まで努力しようという側面と、数字を見極めたかったという側面もあろう。配当は、120年を記念し24円を維持。下方修正の背景は、主力のT&M30億円下振れ、スマホ向けが端末もチップセットも設備投資抑制が大きい。また、その他で、いりくりがあり、9億円。PQAは上ブレ。3Q業績は受注221億円、売上232億円、OP19億円、NP16億円、y/yで減益継続、q/q減収増益だが厳しい。差し引き4Qは売上258億円、OP20億円となる。

 

 T&Mの受注は2014年度4Q201億円から、2015年度1Q173億円、2Q165億円、3Q154億円と右肩下がりが続く。3Q190億円を想定していた模様で大幅下ブレ。なお、スマホ用テスタは、製造向けが厳しく、開発用は強くはないが想定線。光関係や汎用エレキは堅調。また、4Q想定は180-190億円目線でq/q増だが季節性や光関係が増えるため。

 

中計GLP2017に向けて

 

 スマホ用テスタの回復時期は不明だが、中計では7%成長で、GLP2017では売上1200億円、OP170億円、NP130億円、T&Mは売上900億円、OP135億円、PQAは売上200億円、OP16億円であるが、この目標に向けて、2016年度を社内で詰めているようだ。5GIOT時代では、これまでの2G3G4Gのような入替り型の市場成長ではなく、4Gにアドオンされる形で市場形成がなされ、T&M市場は6.4mil$、約7000億円市場の世代交代市場に対し、IOT独自のアドオンが8%位、500億円程度の市場があり、そこでも30%のシェアをとる目算のようだ。その新しい5Gの市場が4Gを越えて拡大するのが2017年であり、これがまさに中計ゴールとなる。他方、PQA2015年度、売上190億円、OP12億円であり、売上はゴールに近いが収益性はあと一歩に見えるが北米向け販売網強化の先行投資のため。