2016年2月10日 堀場製作所の決算と新中計「MLMAP2020」

 

21015時半~17時前まで説明会と質疑。2015年の決算発表、業績と新中計MLMAP2020について紹介、また「株主との建設的な対話に関する方針」なども示された。

 

HORIBAファンを増やす

 

「株主との建設的な対話に関する方針」については、①推進体制、②ステークホルダーとの対話、③ステークホルダーから意見を社内にフィードバックする仕組み、④インサイダー情報の管理と、具体的に記されている。「株主」と「ステークホルダー」を微妙に併用しているが、前者は現在の株主、後者は潜在的な株主も含めた全ての人、と理解した。また、「経営方針や経営状況だけでなく企業文化」と書かれ、そこを理解してもらおうという姿勢がいい。さらに、「HORIBAファン」を増やすことに重きを置いており、ある意味、「ステークホルダー」とは「HORIBAファン」だと理解した。

 

風にのる帆船から自ら飛ぶドローンへ

 

 中計「MLMAP2020」については、数字もさることながら、シンボルマークが、5つの帆を持つ帆船から5つのプロペラを持つドローンとなっており、海の上を風任せではなく、空中を自ら能動的に自由自在に動くという意味か、と質問をするつもりだったが、そのような明快な説明がなされた。堀場の社風からは、海上を、風を受けてスイスイ進む、マーケットインの印象もあるが、自ら風を起こす、テクノロジー・アウト、いや、イノベーション・アウトへ行くという点が、数字以上の変化であろう。

 

 2020年の目標は、売上2500億円、OP300億円、NP200億円は、2005年の売上1708億円、OP193億円から考えて、打倒なところ。クルマが売上6851000億円、OP52100億円、半導体が売上354500億円、OP94100億円などであり、売上ではクルマと半導体が半々、OPでは大半がクルマである。

 

クルマは市場の追い風に加え、MIRA社買収、琵琶湖工場など、勝負に出ている印象がある。排ガス世界統一モードに加えADAS、車体、燃料電池、EVなど、クルマメーカーは次世代研究を強化しており、それらを一括して開発支援できるHORIBAの強みは大きいだろう。足元は、排ガス世界統一モードの導入前の買い控えや、先行投資負担もあるが、2020年以降のOP成長はもっと大きいだろう。半導体は、シリコンサイクル次第だが、足元はシェアアップと、モジュール化に注力するといい、具体的成果が楽しみだ。クルマ、半導体以外では、環境、科学、医用で、第三の柱を模索、代替エネルギー、水、バイオ、ライフサイエンスで、シナジー効果で大化けもあろう。

 

なお、今回までの中計で、医用の未達はフランスの開発で新製品投入がなかったため。ただ、その割には健闘し、セールスマーケ力は強い。世界でも日本でも大手中心に再編が急だが、HOROBAは大病院ではなく、中小病院や開業医向けに、得意のコアのPOCT中心に検体検査全体に展開する戦略だが、実際は、国内海外、拠点が多い仏と他で異なろう。ここは、M&Aも含め、連携、テコ入れが必要に感じた。