業績は1月29日に既に下方修正。その他部門とプラチナ価格下落の評価減が要因。なお、同社の分析においては、売上はPGMの相場で変わるので粗利で見ることが重要である。なお、下記参照。
http://www.circle-cross.com/2015/08/12/2015年8月10日-フルヤ金属-長期投資は報われるか/
上期は売上84億円、粗利12億円、SGA9.8億円、OP2.4億円、NP1.1億円。粗利の内訳は、電子8.3、薄膜4.2、センサ2.9、その他1.2であった。薄膜はHDD厳しいがFBAR好調、APC期待。センサは装置向けが期待と不安。その他が、リサイクル関連が採算悪化。なお、評価減4.3億円は1Qで計上、プラチナとルテニウムが多そう。棚卸は1Q末95億円から85億円に減、価格低下よりも仕込んだものが順調に売上計上となったため。短借入増もイリジウム受注を見込み売上計上後は返済へ。
年間は売上174→160億円 粗利39→31億円、OP15→11億円、NP4億円、粗利は、電子18、薄膜8、センサ5、その他3であり、電子とその他が下ブレだろう。電子は、SAW向け坩堝は堅調だがガラス関連は期待薄、薄膜はHDD減産とBAW次第。センサは回復。不安要因は12月末から足元PGM価格は更に下落、円高もあり評価損リスク。なお会計士と調整。
むしろ期待は、OLED関連。第一は、燐光材料向けイリジウムで、緑色と赤色(青は蛍光)を、米大手材料メーカーに供給。シェアは90%以上であり、かつ、現在は、歩留まりが低く、回収ビジネスも拡大しよう。第二はAPCであり、中国大手などに反射電極を供給。数年後に、粗利で10億円以上の規模感の可能性もあろう。
SCMとしての期待もあるSTT-RAMの相関絶縁間膜も来期離陸。
新しい話題は、FSWであり、溶かさない成型で小型IT機器の筐体のデコレーションに使われる可能性があるようだ。
なかなか業績改善は遠のき、PGM価格下落で在庫評価損リスクの構造的問題も解決されないが、中期での重要な技術は楽しみであり、引き続きウォッチしたい。