2016年2月25日 WD、サンディスク買収、紫光の出資は米政府が中止

 

WDがサンディスクを買収する。昨年10月に紫光が出資との話があったが、中止となった。米エクソンフロリオ条項で対米外国投資委員会(CFIUS)審査のため。

 

東芝にはプラスだが

 

サンディスクは、東芝とNANDJVを組み、紫光の場合は、中国へ最先端のNAND技術流出の懸念があったが、とりあえず、そのリスクは減り、JVの持ち分を東芝が新たに買い取る負担も減ったといえるだろう(中国だけでなく、ライバルのサムスンが買収という場合には、そのリスクがあり、実際、過去、東芝は持ち分を増やした)

 

なお、今回、日経は1日遅れで、これが、日本がグローバルの情報に弱くなっている象徴だ。ブルンバーグの報道もリークではなく、HPのプレスリリース。

 

http://www.wdc.com/en/company/pressroom/releases/?release=4e964652-0f24-4987-9d5a-97e5379eba81

 

WDにとっては、ストレージ戦略で、HDDからSSDへシフト、SCM対応もでき、優位なポジションを得たともいえよう。また、東芝にとっては、サンディスクを通じて、安定顧客を得たとみるべきだろう。ただ、サンディスクとの隙間風や戦略、方向性の違いについては不明だし、WDが東芝のセミコンの株主になる可能性があるのか、なども注目点だろう。

 

翳る紫光

 

他方、紫光は、あちこち、中途半端に出資しており、MUに続いて、今回のWD失敗で、メモリ戦略をどうするのか?が問われる。再度、MUやハイニクスを狙うのか?など注目だ。バックの中国政府が、こうした紫光を評価していないという見方も出てきたようだ。