2016年2月26日 シャープ、偶発債務を24日朝に鴻海に通告、期限3月7日に延期

 

報道によると、シャープは25日の臨時役員会で鴻海案を選択したが、24日朝にシャープが通達した偶発債務に関して、鴻海側が、精査に時間が必要だとして延期、トップの合意で、期限を37日だとした、報道によると、偶発債務は3500億円、100項目に及び、大半が初めて明らかにされたという。交渉決裂の場合には、破綻の懸念も出てきた。下記のように試算すると債務超過3000億円の可能性もある。

 

そこで、シャープの財務リスクと、偶発債務の可能性を有報から考察する。そもそも、3Q末の自己資本は1700億円弱。3Q累計純損失1000億円である。これに、パネル評価損が500億円と試算(年末在庫1300億円は評価損未計上で年初から4割下落)、その他評価損200億円や、4Q稼働損を数百億円とすると、ここまでで計10001500億円となり、債務超過が近い。

 

既に有報で開示されている偶発債務は、4項目あり、定量評価できるのはポリシリコンなどの分が800億円である。今回、偶発債務の項目で報道されたのは、以下である。

 

  1. 政府補助金:シャープは多いほうだ。研究開発で経産省案件から多い。あと亀山なので補助金数十億円。撤退したとき問題。ただ、過去累計で100億円いかないだろう。

  2. 違約金。特許のクロスなどあり、不明。

  3. 多いと想定できるのが販社などの補償など。契約内容次第だが、これは何度も指摘しているように、けっこう多い可能性がある。数百億円

  4. IFRS移行する場合、いろいろ上記も含め出てきそう。±あるが、不明である。

  5. この中で、IFRS導入すると年金債務3800億円と資産3000億円の差額。債務3800億円の割引率は1.5%、長期年金資産3000億円(株26%、債権29%、オルタナ20%)リターン想定は3%である。マイナス金利となると、割引率がゼロになる可能性もあり、20年とすると1000億円強PBOが膨らみ、株価が日経で下がり、仮に20%やられたとして600億円悪化。これで1500億円不足が計上される。

  6. 為替調整勘定 数百億円くらい。