芝浦メカトロニクスは、FPD設備投資が活発化される中で、プラスとマイナスがある。OLED向けは月産25-30kのキャパでも、2000億円相当の投資が必要であり、2019年までに、業界全体で、累計1兆円を超える投資がなされよう。同社が強い日本と中国台湾だけでも、5000億円以上は期待できる。
OLED化の中で、セル工程やカラーフィルタ工程が無くなることで、LCDの場合と比べてマイナス面はあるが、OLED化も含めたFPDの全体の設備投資増加の影響のプラス影響を、洗浄装置やインクジェット装置などで享受するプラス面が上回ろう。
FPD、特にLCDメーカー向け洗浄装置ではシェアトップ級であり、韓国には弱いが、日本、台湾、中国では圧倒しており、中小型だけでなく、むしろTV向け大型投資で恩恵が大きい。OLED化では、千九装置、OLBの他、フィルムタッチパネルが増えれば、LCDではインセルだったゆえに、シェアが高い貼り合せ装置等が貢献しよう。
期待したいのは、キヤノントッキが独占、アルバックが追うマスク蒸着機である。マスク蒸着機の要素技術は、真空技術と位置決め制御であり、同社が本来得意な分野であり、水分を嫌うなど電池プロセスに似た面もある。現在は、サムスンがキャノントッキの装置を独占購入、日本勢も困っている。業界のためにも2017年までの開発が急がれる。
半導体では、話題のInFO-WLPである。台湾大手向けに、フリップチップボンダが期待。同社は東芝依存度が高いと誤解されているが、今やそうではない。前工程のウェットエッチ、洗浄もある。もちろん、東芝のメモリー向けも期待したい。
業績は、3Qは、売上100億円、OPが0、と想定線。年間は売上470億円、OP14億円、NP8億円は不変。差し引き4Qは、売上150億円、OP9億円は、シャープ騒動もあり、FPD業界の発注が遅れる可能性や、台南地震の影響があるかもしれない。