日経報道によると、東芝は、参加のWHの暖簾の減損を実施する模様。ここのところ各誌でWH減損のリーク記事があったが、日経も書いたことで可能性が高く、これまで通りなら近く発表もあるだろう。
東芝の出資比率は87%、暖簾は3500億円強計上しているため、大半を取崩すことになる。監査法人と協議次第で、損失額は変動する可能性もあるが、キヤノンに売却を決めた東芝メディカルシステムズの売却益7000億円弱も前期に計上できそうで、最終赤字は7100億円から5000億円前後に縮小。
減損なら、長期受注見通しの変化か割引率を変えたのか?
先日3月18日の経営説明会では、3Q時点ではOKだった減損テストを、4Qで実施中としていた。しかし、結局、減損テストがアウトだったことになる。国内の原発は厳しいのは分かるが、海外の原発は受注が好調だと言っており、不明。新しい監査法人がNOといった可能性もある。
2016年度も上期は赤字の可能性が高く自己資本は再び綱渡りか
いずれにせよ、もし、メディカルシステムズ売却がなければ、最終赤字は1兆円強、電機で過去最悪。今期のOP計画は1200億円であったが、円高も進みNAND市況悪化で、4-6月は赤字だろうし、年間も1200億円を下回る可能性が高いだろう。日経報道では、2000億円規模の事業や資産の追加売却を検討している模様だが、早期に半導体部門の分社化、上場と、原発部門の売却(日立、三菱重工、アレバも含め国際的公社設立)が望ましいだろう。
PBOの割引率
なお、FACTAなど一部の雑誌で、PBOでの割引率の扱いが不正ではないか、との指摘がある。これは、既に何度も指摘もし、説明会でも、その後の個別でも、しつこく聞いたことである。
http://www.circle-cross.com/2015/10/02/2015年10月2日-東芝の明らかになった疑問点と今後/
http://www.circle-cross.com/2015/05/27/2015年5月26日-マクロ経済の不正会計リスク/
そもそも、こうした前提の決め方にガイドラインがないのが問題ではないか。また、先日、指摘したように、負債側だけでなく、資産側もある。長期投資で、長期の資産の割引率が、開示されておらず(減損の場合などのみ開示、東芝の原発は9.5%)、そこも大問題だろう。ここは、かなり各社ばらばらであろう。今後のあるべきルールづくりをすべきだろう。