4月24日の日経新聞が、東芝の新社長に綱川智氏を決めたと報じた。状況から判断して、正しいだろう。なお、現社長に室町氏の処遇や、他の役員人事は不明とある。
ヘルスケア一筋から、PCやTVの改革を進める
綱川氏は、東芝にあって、ヘルスケア部門を管掌し育成してきた。また、不祥事発覚の後は、ライフスタイルのリストラを進めてきた。候補としては、取締役では、室町氏を除けば、他に牛尾氏、CFOの平田氏であり、執行役員では、半導体の成毛氏、原子力の志賀氏の可能性もあったろうが、半導体は二代続けてであり、また、原子力は問題も残されている。
苦渋の決断と茨の道
そして、何よりも、綱川氏は、①我が子の如く育成してきたヘルスケアを出す苦渋の決断をし、②白物家電を美的に売り、PCやTVのリストラを進めてきた実績、③半導体でも原子力でもない中立性やバランス、④不正会計と無縁であり、かつ非主流ゆえに客観的な視点や判断への期待、⑤温和な中に冷静さと人情味ある人柄、からいえば、最適だろう。指名委員会も無難とはいえ、東芝のため、ステークホルダーのためには、良い判断だろう。祝意を言えないほど、苦渋の道だが頑張ってほしい。外部からの招聘も選択肢としては無いではないが、あるとすれば、会長職などであり、継続性やリーダーシップからは社長には難しいだろう。また、室町氏には御疲れ様と言いたい。
歴史上初の人事
今回の人事は、東芝の歴史上、幾つかの意味で初である。第一に、重電畑ではなく、半導体やPCなど主流の事業の出身ではない(ヘルスケアは何度かカーブアウトされそうだった)、第二に、指名委員会が決めた人事であったことである。特に、後者の意味は、ガバナンス元年でガバナンスの刷新を求められている東芝としては非常に重大であろう。
科目配点とレジチマシー
http://www.circle-cross.com/2015/09/24/2015年9月22日-制度が変われば再定義が必要な社長/