2016年5月3日 富士通のスモールミーティングでのポイント

 

スモールミーティングが決算説明会後の429日と52日に複数回に分けて開催され、52日の午後13時~14時半に参加。出席者はIR担当の佐藤氏以下、主要7部門から担当者が出席。説明会で対応できなかった細部の数字や追加質疑対応。数字の詳細は別にすると以下の点が重要だろう。

 

ビジネスモデル改革

 

 ビジネスモデル改革、「オペラ全4幕の第1幕」などの真意は、これまでは、グロスとネットで説明してきており、不確実性があるものも含め、計画中の事業・資産等売却など益サイド、と、計画中のリストラ費用など損失サイドを示したが、今回は、見積もれるもののみとした、と説明された。

 

ニフティTOB

 

 ニフティTOBに関しては、今回のビジネスモデル改革の一貫であるが、少なくとも、ここ数年は、方針が変わったことはなく、一昨年に売却のマスコミ憶測記事があったが、事実ではなく、CEOCFOも取り込みという方針で一貫していたようだ。なお、ニフティ売却に反対され、当時のトップ野副氏が交代したというのは間違いであり、あくまで売却を仲介しようとしたのが不適切なファンドであったため、だと強調された。

 

オープンな議論の場と開示を

 

当時は、マスコミ報道も錯綜し、真相は不明だし、会社の発表通りだろうが、本来、主要事業の売却などについては、役員の間で議論があり、賛否両論は当然である。

 

PC部門の統合

 

 今回、マスコミで報道されている東芝やVAIOとの統合あるいは白紙、などについては、そもそも会社側は何も言ってないと強調。本当に、そういう計画があったのかどうかも不明である。

 

富士通のこれからの形と経営重心®

 

 いずれにせよ、この1-2年で富士通の形は大きく変貌し、脱ハード、脱デバイス、そして脱SIになっていくが、改めて富士通の経営重心®を考察すると、日立やNECが、重心を左下にもっていく中で、右上のケータイやPCを保有してきた。遅れているともいえるが、よく耐えてきたともいえる。現在は、投資家アナリストやマスコミの認識は、ソフトやソリューションの富士通だが、実は、ハードやデバイスでも底力がある。事業ドメインは本来、もっと広い会社かもしれない。本来、DNAが、VB的であり、遠心力が働く会社であり、それを、オープンイノベーションを取り込みながら本体も成長するべきだろう。

 

業績はビジネスモデル改革コストを除くと自然

 

 セグメント別の2015年度→2016年度の業績動向、OP変化については、ビジネスモデル改革コストを除いて考えた方が分かり易い。ただ、今期の450億円のコストがどう振り分けるか次第。

 

在庫と設備投資

 なお、脱ハードというわりには、有形固定資産の設備投資は1500億円近辺であり、半分の800億円をテクノロジーソリューションが占め、多くがデーターセンター向けである。