2016年5月10日 OKIの決算説明会~鎌上新社長デビューと中期への提案

 

 51016時半~1715分、決算説明会。鎌上新社長は初登場でプレゼン、質疑は、畠山常務も対応。プレゼンでは、冒頭、震災被災者への御悔みと、135周年、老舗20代目の社長として挨拶があり、期待に沿う会社になりたいとの弁。

 

開示は前進と後退と

 

今回よりプレゼン資料は一部かわり、前年比や計画比などが分かり易くなった。また、セグメントを変更、情報通信から、メカトロシステムを切り出し、新セグメントとなったのは良かった。他方、昨年の下方修正の背景となったATMOEM先中国イーファ社の不払いトラブルの件や、減損もしたブラジルの件などについては、予め簡単でもいいから資料に入れてほしい。

 

業績は微妙

 

2015年度業績は売上4903億円、OP186億円、NP66億円。売上は海外のATM等苦戦もあり下ブレだがOPは上ブレ、為替差損が大きくNPは下ブレ。包括利益では、為替調整勘定やPBOは懸念されたが、自己資本は1000億円を維持。

 

2016年度は、海外では中国やブラジルは期待できず、プリンタも競争激化だが、ITは堅調、中計最終年度として、安定収益確保、成長事業創出、財務基盤強化に努め、売上5000億円、OP200億円、NP120億円を計画。増益は、情報通信とプリンタがSIIの部門M&Aがフル寄与による。

 

イーファ社不払いの215億円の売掛金はそのままで引当積まず

 

懸念の中国については、未だに調停中であるが引当金は積まず。2015年度は、1.8万台であり、4Q1000台のみだが想定範囲。上期末では売掛金が急増、215億円分が未回収だが、年度末では売掛金はそのままでB/Sからは通常となっている。2016年度は1.5万台を見込むが、新提携先のデジタルチャイナ分もある程度は見込んでいる。ただ、前年が中国金融機関のATM導入意欲が高く、その反動が大きい。

 

 また、それほどのシェアでも脅威でもないが、国産ブランドの台頭もやや懸念。

 

ブラジルは赤字残るが止血

 

 ブラジルは、2015年度は3Q時点の説明会では、売上210億円、35億円の赤字とされたが、着地はもう少し悪化したようだ。2016年度は、昨年に受注した案件も多い上、生産設備を中心に資産の減損10億円(割引率16%)による効果もあり、赤字は改善。ただ、トントンとなるには2017年度。会社側は、これで、止血、底打ちとの判断。この減損で、まだリスクがどの程度のこされているか、などは不明。

 

プリンタにはなお不安

 

 プリンタに関しては、新社長も優しい。キヤノン等、大手すら厳しいという中で、何度も下方修正、赤字も多いが、温存され、広告宣伝費も多い。2015年度も急な円高とはいえ、30億円の下方修正であった。

 

中期への期待と不安で5つの提案

 

 いずれ新社長のもとで発表される中計は不明、ただ、懸念はIFRS導入でのB/Sへの影響である。もし、そこで自己資本比率が30%を超えるのであれば、2020年までに、あるいは150周年までに一気に構造改革をしてほしい。