5月13日 13時半から高崎社長による経営説明会。昨年、同様、社長の単なるプレゼンではなく、社内の女性と対談形式。なお、会場に、注目のネオジム磁石などが展示。また、今回は注目の肝硬変治療関係で丸山上席執行役員も登壇。話題は、情報機能材、OLED化対応、ポートフォリオ変革、技術・組織の融合など。質疑の半分は、医療の話題。質問者がかなり多いので、回答を簡潔にして、より多くの人間に対応してほしい。
2018年10月に創業100周年を迎える中で、新たなNitto-New Centuryに向けた3年間の計画で、売上9100億円、OP1300億円を目指すが、①オプトロニクス事業での高シェア維持、②Green・Clean・Fineでの新事業創出など事業ポートフォリオ変革、③継続的構造改革、④合計3500億円の先行投資(Capex1900億円、戦略投資1,600億円)を敢行。融合と実現力を強調。
足元市況
スマホはアップル向け生産調整の影響が続くが、新モデル向けは6月から立ち上がる可能性があるようだ。TV向けパネルは、市況は悪く在庫が多いが、中国がなお積極的。新型偏光フィルム(薄く低収縮)は、TV向け昨秋より投入、今秋後半には大型TV向けへも広がりそうだが価格重視。2018年度には、中小型・大型合計で同社の偏光フィルムの40%以上を新型で占めそう。
OLEDでのロールツーロールと封止の可能性
OLEDパネル向けでは、偏光フィルムは2枚から1枚に減るが、①反射防止の1/2λ高付加価値、②フレキ化でタッチパネルはアウトセル型フィルムで、フォースセンサー機能追加の中で、ITOフィルムが貢献、③フィルム接着剤、などでチャンスがあると見ているようだ。
確認したかったのは、OLEDでのロールツーロールの可能性と展開時期と封止用フィルムでの可能性である。現在は、ロールツーロールが難しくガラス上にPI形成、その後にレーザー剥離だが、これが大きく変わりコスト面でも影響が大きい。また、封止のフィルムは現在、有機無機有機等の3層だが、Nittoの技術力が生かせるはずだ。その条件は、水蒸気透過率で10^-6g/㎠/日であり、透明性はあった、この条件を満たすものの有無である。
影響試算
OLED化による影響は以下のように試算する。大胆に前提をおいてシミュレーションする。この前提は、会社側は全く非開示であり、特に単価は、性能や数量でもかなり違うだろう。シェアなども無視している。
以下に、偏光膜の値段、1/4λの値段、ITOの値段を2ケース、スマホの台数を、現在の非インセルスマホが全量OLED化される場合と、半分だけの場合の2ケースの計4ケース示す。要は、ITO価格や1/4λ板の価格が高く、オンセルスマホがOLED化される割合が少なければ影響は少ない。会社としては、更なる付加価値アップでカバーするだろう。
http://www.circle-cross.com/2015/06/17/2015年6月16日-日東電工の底力-ロールツーパネル特許に見る技術-知財-構想力/
http://www.circle-cross.com/2015/08/09/2015年8月8日-日東電工-収益の多様化とnittoらしさ/
http://www.circle-cross.com/2015/09/28/2015年9月26日-nittoの液晶市況悪化下での底力/
http://www.circle-cross.com/2016/01/11/2016年1月10日-nitto-日東電工-のイノベーションセンター見学-1月7日/
http://www.circle-cross.com/2016/01/31/2016年1月31日-日東電工の決算テレコン報告/
下記に参考を示す。
http://www.circle-cross.com/2016/04/20/2016年4月18日-有機el-oled-ディスプレイとは/
http://www.circle-cross.com/2016/04/12/2016年4月10日-oled最前線-マスク-fmmとfhm-rgb蒸着-封止-encapsulation-が鍵/
http://www.circle-cross.com/2015/11/30/2015年11月27日-ltpoとoledの蒸着メタルマスクについて/
http://www.circle-cross.com/2015/11/16/2015年11月16日-次世代iphoneはoledでサムスン先行か/
NPへの寄稿もある。
https://newspicks.com/news/1539033/body/
https://newspicks.com/news/1548238/body/?ref=user_848263