5月20日15時半~16時半、決算と中計について説明会。鈴木新社長より中計、根岸取締役より業績説明、その後、質疑、最後に前社長の森川氏より挨拶。質疑は、鈴木、根岸、両氏の他、技術品証担当役員の堀口氏も対応。決算そのものは既に5月12日に発表済み。
鈴木氏の抱負と森川氏の挨拶
なお、今回は、社長交代、中計、前期の引当金特損など話題が豊富であったが、30分程度延長しても良かったかもしれない。
中計については、社長就任後時間もないので、今回は詳しい数字は難しいだろう。前任者の登壇は例が少ないが、在任中、リーマン、3.11などの多くの苦難の中で最高益を達成した森川氏の挨拶は、非常に良かった。
今期業績は製品引当金一巡で大幅増益
業績は、2015年度については、4月28日に、売上990→981億円、OP46→8億円、NP31→2億円、と既に下方修正された通りである。
この修正の理由は、新エネ部門で製品保証引当金を計上していた一部の点検・保守作業での工数によるコスト増による7.5億円、電装部門での顧客リコールに伴う発生コスト41.6億円の計49.1億円が引当金繰入額となったため。
2016年度は、売上988億円、OP45億円、NP36億円。セグメント別には、デバイスが、前期の売上363億円OP21億円から、売上384億円、OP25億円とやや増収増益、電装が、同順に、売上491億円、OP18億円から、売上500億円、OP48億円と、引当金一巡で大幅回復。新エネは、売上148億円、OP赤字-6億円から売上137億円、OP5億円と、減収ながら特殊用心一巡で回復。調整消去がやや悪化するが共通のR&D費が3億円増加のため、特段リストラ費用などは見込まず。為替感応度は、10円/$で、これまでは4億円だったが8億円になったが、多通貨も含め輸出が増えているため。
中計ではヘルスケアを重視、2018年度は売上最高更新、2021年度はサンケンを抜く
次期中計の方針は、「技術優位への挑戦、スピード、海外への販売拡大」であり、2021年度に向けた成長基盤を築くようであり、半導体をキーとした事業シナジーに加え、M&Aにも期待できよう。
2018年度売上1200億円、OPM6%、ROE8%、2021年度売上1500億円、OPM10%、ROE10%が示された。OPは既に全中計で達成だが売上でも前回目標の1200億円を達成、過去最高となる。おそらく、2018年度まではマクロ不透明感もありやや慎重であり、本当の目標は2021年度だろうが、この水準は、サンケン電気を凌ぐことになる。
ヘルスケアは、医療、介護・支援ロボ向けのデバイスやモジュールだが、PETでは既に実績があり、これ梃子として拡大するのだろう。