5月20日10時半~11時半で、アナリスト協会主催の説明会、IR担当者より簡潔に業績説明の後、古橋社長による詳細な解説、質疑。なお決算そのものは5月12日に発表済。
TFT液晶の先駆者からゲーム向けに転換、電子部品の新御三家といわれたが
ここ数年は、売上の半分近くを占めてきた任天堂向けが厳しく業績が低迷しているが、ITバブル崩壊後に最高益を更新(2008年度売上4537億円、OP251億円 当時、電子部品業界ではITバブル時を更新したのは日本電産と日東電工くらいであり、村田ですら更新できていない)、一時、株式市場において、日本電産(2005年前後はまだ売上5000億円前後、OP500億円程度)などと並び、電子部品新御三家といわれるほどだった。リーマンショック後も減益ながら黒字維持と健闘した。
ボラの高い世界トップメーカーに鍛えられる
過去25年の業績推移を振り返ると、売上の中身や顧客は変わっているが、売上1500億円以下では厳しく、2000億円を超えると利益が大きく伸びるのが特徴であり、また売上の急拡大にも追随、急落でもある程度耐えられるのが、アップルや任天堂などボラの高い顧客に対応してきた真骨頂だろう。また、グローバルな情報収集力といち早く進出した海外マネジメント力も評価されている。
業績動向
2015年度業績は、2月に減損計上、さらに5月に為替差損25億円や追加減損で下方修正した通りだが、売上1399億円、OP赤字28億円、NP赤字107億円と厳しかった。
2016年度は一気に黒字化
2016年度は年間では増収、黒字を見込むが、上期は減収赤字。ゲームが下期に急増、顧客の新製品発売に向け作り貯めで採算改善。スマホは大きくは伸びないが足元は少し戻り黒字化を目指す。クルマは順調に伸び、音響の増加が大きい。為替は期末の112円/$前提。
年間120億円増収で50億円のOP改善は容易ではないという見方もあるが、人員適正化で5-10億円、減損効果で8億円、クルマ向け音響は40%近く伸びるが、員数増加や付加価値増で、数量増25%に加え単価アップ15%であり、限界利益増もあろう。