恒例の決算後の社長による経営説明会が5月23日15時半~16時半。プレゼンは、柵山社長、質疑は加えて松山CFO。目新しい話はないが、社長から改めて経営方針をじっくり聞ける良い機会である。 冒頭、熊本地震についての言及があり、パワーと光のあるデバイスと液晶で被災したが、復帰しつつあり生産開始していること、生産もある程度分散されているとされた。
ジャパンストライクゾーンに豊富な成長分野
2020年の100周年に売上5兆円、Opm8%以上を目指す中では、成長8分野について、特に、自動運転やインダストリー4.0に関連するe-ファクトリーなどが面白そうだ。
割引率は全社で同一数字、国内50%を2020年も維持
興味深かったのは、割引率についてだが、目標営業利益率はセグメントで異なるが、全社で同一の値を使用しており、設備投資など資産も国内が中心であるためとした。
経営重心®を見直す
そこで、再度、経営重心®を見直した。具体的には、原発を実際やっていないことから、重電の固有周期を10年とした。その結果、経営重心®は固有周期が1年程度、右にずれ、ドメイン面積は5弱から3強に小さくなった(下図で左側が見直し後、右側が修正前)。
社長の定義・選出の仕組みが異なる
社長を選ぶ仕組みや、その定義や役割が他の電機メーカーと異なるのも、こうしたポートフォリオ属性、一つの割引率であることが、その背景にあるだろう。 その意味では、100周年の2020年までは、今の形で成長を続けられるだろうし、今のポートフォリオ管理でいいだろう。しかし、いつかは、リスクフリーレートが異なる新興国や、M&Aによっては、経営重心®が異なる、あるいはしたがって割引率が異なる事業も手掛ける場合もあろう。その場合に、この会社の形がどうなるかにも大いに興味がある。