2016年6月23日 有機EL討論会に参加

 

 日本の有機EL関連の研究者など関係者が集う「有機EL討論会による公開シンポジウム」が623日から24日、東工大大岡山キャンパスの蔵前会館で開催、23日に参加した。

 

会場はほぼ満員。発表は、山形大、京大など。さすが、山形大は有機ELのメッカだけのことはある。企業では、三洋のOB、パイオニアが多い。

 

午前の学会発表の部は物性関係で、詳細は難しいが、イントロで、最近の動向や課題のサマリーがあり、全体像はつかめ、質疑も含め概要がわかる。大昔の学会と異なり、パワポや動画もあり分かり易い。

 

先端の研究動向を把握

 

全体を通しては、①成膜において、蒸着と塗布で、電子移動度やスペクトル分布が大きく異なること、②発光材料としては、蛍光材、燐光材に次いで、熱活性化遅延蛍光材(TADF)に注目されていること、③大画面向けにTADFの塗布膜の特性評価の研究が多いこと等を知った。

 

個々の発表での簡単なコメントは以下である。

特別セッションでの講演とパネルディスカッション

特別セッションは、産総研でソニーOBの占部氏のコーディネートで、James Lee(サムスン、CDTLG、アップル、TCL)による講演。その後は、パネル討論であり、Lee氏の他、Choong Hoon Yi(サムスンOBからコンサルタント、サムスンの有機EL戦略をアドバイス)、浜田氏(上海天馬、三洋OB)、豆野氏(フォックスコン日本技研、三洋)、鈴木氏(JDI)、司会は占部氏(産総研、ソニー)の豪華メンバー。

その後は、企業展示広告コーナー(サイバネット、シュレ-ディンガー、住化分析センター、東陽テクニカなど)であり、ソフトや測定器の紹介。

午後の学会発表は、北陸先端科技大の「定常光および時間分解PL分光法による燐光OLED劣化機構解析」、パイオニアによる「回折格子構造による白色OLED素子の光取り出し効率改善検討」、次世代化学材料評価技術研究組合による「感度水蒸気バリア性評価のための標準資料開発および妥当性検討」であった。

18時より懇親会。参加者は200名以上、大学などの研究者や、材料、装置メーカーが多いがデバイスメーカーは少ない。有機ELは、三洋、パイオニア、ソニー関係者が多い。