キヤノン傘下でのトッキが、アネルバも活用して、生産能力を3台から10台にしたが、アルバックが中国の天馬からG6ハーフを受注するなど、追い上げも急である。また、サムスン関係者が明らかにしているように、サムスンに収めているプラントでは、蒸着源に関しては、トッキ独自のポイント型ではなく、サムスン独自のリニア型であり、トッキの優位性がどこまで続くかは微妙である。
http://www.circle-cross.com/2016/07/15/2016年7月15日-キヤノントッキの有機蒸着プラントはどこまで続くか-アルバックの急追か/
アネルバとの技術シナジー、SEDの遺産
アネルバの活用が、生産能力を利用するだけでは、シナジーは小さいが、技術シナジーを利用できれば、その効果は大きいかもしれない。実は、キヤノンがアネルバを買収したのは、当時、キヤノンが東芝と共同で開発していたSEDのR&Dや生産が一つの目的であった。SEDでは、コアとなる電子放出源の製造で、熱CVDを利用し厚さ30nm程度の炭素薄膜を形成、そこに素子膜のスリットを電鋳技術で作成する部分があった。
まさか、ディスプレイに関心があった以前とは異なり、もはや、キヤノン自身が有機ELディスプレイに参入することは無いだろうが、技術は生きているのかもしれない。