2016年7月21日 コニカミノルタのヘルスケア事業説明会~医療革新

 

721日 15時半~16時半過ぎ、会社主催の説明会。414日開催の中期事業戦略説明会が行われた際に、部門別の詳細な説明会をするとのことだったが、その一環である。

 

http://www.circle-cross.com/2016/04/18/2016417-コニカミノルタの中計説明会に参加/

 

 司会はIR白井氏、説明者は、取締役常務執行役CTOの腰塚氏、執行役ヘルスケア事業本部長の藤井氏。前半のイントロを藤井氏、後半の技術的な内容の詳細を腰塚氏。出席者はそれほど多くは無いが熱心でハイレベルな説明、質疑も多く、延長されたことは、IR姿勢として、評価できよう。

 

 コニカミノルタのヘルスケア領域のイノベーションは、材料、画像、光学、微細加工の4分野であり、これらを応用して、分子イメージングにフォーカス、高付加価値X線・超音波、医療IT、プライマリーケアを手掛けるが、分子イメージングで、創薬、治験支援を攻める。ヘルスケア部門は2015年度売上850億円、OP39億円に対し、2020年度は1700億円、OPM10%を計画だが、創薬治験が30%、それ以外は10%弱のようだ。

 

広く応用可能なHSTT

 

HSTT(High Sensitivity Tissue Testing)は、写真化学で培われたナノ粒子材料技術を転用したPID技術(Phosphor Integrated Dot 抗体で表面修飾された高輝度蛍光標識剤)により、ガン細胞に発現しているタンパク質を高感度で定量検出する技術。これまでは、DAB法で視覚的にガンの種類を診断していたが、HSTTではガン細胞のたんぱく質の数や位置までわかる。

SPFS

 

SPFS(Surface Plasmon Field Enhanced Fluoresce Spectroscopy)は、大型診断装置なみの威力をPOCTで発揮できる。

 

タルボロー等

 

創薬・治験領域以外では、次世代X線診断装置(タルボロー)等で比較的安価な装置を開発、リウマチ等の早期診断市場での展開を計画。また、ITを使って介護の見える化で、介護者の負担を無くす。

 

R&D指針

 

 こうした先端分野では、R&Dが重要だが、2015年度のヘルスケア部門のR%D費は48億円と売上の5%は同業の10%に比べ少なく、全社762億円からも一部に過ぎない(全社部分が131億円ある)

 

 同社の場合は、ヘルスケアと他の部門は、R&Dの在り方も異なり、違ったR&Dマネジメントが必要だろう。こうしたR&D体制、マネジメントをどうしているか、のR&DIRも期待したい。