2016年7月28日 ADIとLLTC統合で再び相次ぐグローバル半導体再編とChina Challengeの変化

 

アナログ・デバイセス(ADI)がリニアテクノロジー(LLTC)を買収

 

日経新聞でも報道され(http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ27H79_X20C16A7000000/)、正式発表されたように、アナログ・デバイセズ(以下ADI)は米国時間26日、同業のリニアテクノロジー(以下LLTC)148億ドル(約1兆5500億円)で買収発表(http://investor.analog.com/)

 

IOT時代の到来に備え、半導体業界は大型買収、再編が相次ぐ。先日、3.3兆円のソフトバンクのARM買収が注目された。直近では、NXPがフリースケールを、インテルも167億ドルで米アルテラを、アバゴは370億ドルでブロードコムを買収と一声、1兆円以上に買収が相次いでいる。

 

統合後は5000億円規模、日本のアナログは合体しても2000億円規模

 

ADI2015年度で売上3.5bil$Gpm66%Opm34%LLTCは同じく、1.5bil$Gpm76%Opm44%であり、統合後は、同順に5.0bil$Gpm69%Opm38%となり、半導体業界で売上ランキング20位前後だったADIは、トップ15位、アナログ分野ではほぼトップでTIに肉薄する。なお、日本では、全部合わせても2000億円程度に過ぎず、利益水準では遠く及ばない。

 

紫光集団はXMCと統合

 

 中国では、紫光集団が半導体メモリ製造事業をXMC(武漢新芯集成電路製造)と統合のようだ。http://www.bloomberg.com/news/articles/2016-07-26/tsinghua-unigroup-xmc-merge-chip-assets-to-create-chinese-giant

 

中国では最大級の半導体メーカーの誕生。紫光はMUWD買収を手掛けようとしていたが、いずれも不調に終わっている。http://www.circle-cross.com/2016/02/27/2016225-wd-サンディスク買収-紫光の出資は米政府が中止/

 

ADILLTCの概要

 

編集 両社の発表によれば、ADIが現金および株式取引によりLLTCを買収し、合併後の時価総額約300億米ドル、買収手続き完了に伴い、ADIは売上50億米ドルで、アナログで世界トップに拡大するようだ。

 

紫光集団とXMC

 

 中国では国家ICファンドがあり、そこから、紫光集団の他、複数のプロジェクトがあるようだ。この中から、紫光集団が半導体メーカーに出資するという構造である。予算全体が削減の可能性もあり、また、米国がこうしたChina Challengeを警戒しており、再編されるかもしれず、その中での、紫光のXMC買収かもしれない。