NidecがEmerson(以下、エマーソン)からモータ・ドライブ、発電機の事業を買収することを8月2日に発表、同18時からの帝国ホテルでの説明会に参加した。出席者は、永守社長、エマーソン関係者など。
過去最高の買収金額だがベストタイミング、フェアバリュー
買収金額は12億ドルで過去最高。対象事業は、エマーソン傘下のルロア・ソマー社(LS)とコントロール・テクニクス社(CT)であり、LSは発電機事業で売上計1674mm$、EBITDAは175mm$である。
永守社長が強調するように、ベストなタイミングでフェアバリューの買い物だろう。
M&Aパズルは完成間近、2020年の2兆円、Opm15%が視野に、もはや部品ではなく複合電機メーカー
なお、今回で、買収パズルは、ほぼ完成に近づき、あとは細かい「詰め物」程度だそうだ。2020年度中計での家電・商業・産業用セグメントの売上目標4,000-6,000億円の上限が視野に入り、2兆円目標に向け大いに進展したといえよう。もはや、Nidecは、名実、規模ともに、部品メーカーではなく、複合電機メーカーであろう。
経営重心®分析
経営重心®でも、下記のように、ジャパンストライクゾーンで、左下を埋めることになり、重心は更に左下へシフト。
シナジー効果は大きい
買収後は、ほぼ全世界の全てをカバーできるメリットは大きい。IOT技術戦略とのシナジーによるビッグデータ活用など循環型ビジネスも築けよう。うまくいけば、「大ぼら」の2030年の10兆円も夢物語ではなくなる。
ソフトバンクや鴻海とのエコシステム
IOT時代に鍵となるのは、半導体(MCU+センサー)と、モータである。IOT時代の、重要な二つの階層を、ARMとNIDECが抑えることになり、それをソフトバンクがデータで活用する可能性がある。