7月29日17~18時で日立の1Q決算があった。決算集中日で参加できなかったが、HPで質疑も含めて動画視聴可能である。マスコミと投資家アナリスト両方版がある(これは珍しい)が、両方視聴したので報告する。なお、投資家アナリストとマスコミの質疑は、1/3は同様、1/3はマスコミながら鋭い点もついている、1/3は論外でバラツキが大きい。プレゼンは西山CFO、質疑は、豊嶋氏も対応。西山、豊嶋氏の丁寧な説明と対応が好感を持った。為替変動だけでなく、ポートフォリオ入替の影響が大きく、今後、これが常態化した場合に、その影響を除外して考えるのが適当かどうか、再考しなければいけばいし、ますますIFRS的な発想が必要であろう。
実質は上ブレ
2016年度1Q決算は、売上2.1兆円、OP915億円(但し、調整後営業利益)、EBIT1124億円、NP564億円。再編の影響(日立物流と空調)が売上で1350億円減(それぞれ順に740、610)、OPで100億円減(同順、30、70)ある。また、為替-150億円、原価低減+360億円、構造改革効果+90億円、売価下落-250億円とコスト削減効果が正味210億円、固定費増-189億円ある。
年間据え置きだがFCFは上方修正
年間は、為替前提110円/$、120円/€も含め据え置き、FCFは年間の目標を1000→1500億円とした。
英EU離脱の影響は軽微
トピックスとして物流は5月19日に持ち分化、キャピタルは遅れ10月以降。また英EU離脱だが、英の売上は3%で影響軽微。事業としては、鉄道と原子力で実質も影響はない。
IOT戦略
IOTの中で、LUMADAの進捗については、まだ売上等を言える段階ではないが、5月の発表以来、反響は大きく、KPIとして、問合せ件数130、POC件数(Proof Of Concept)80件、ユースケース160(うちペンタホのビッグデータ関連100、AIの「H」60)のようだ。ジャックドメの退任について質問があったが、小島専務や大槻常務で十分対応できると回答。
リスクと割引率
また、何度か指摘している、事業リスクは減ったが、地域リスクが増えたことについては、今、まさに体系づけて対応を検討しているとのことであった。地域リスクは割引率のリスクフリーレートに影響するため、そのリスク度合いをどう見ているか開示が欲しいところだ。
IOTとAIで巨艦が小回りきく?
今回も、ポジティブだったには、CCCやFCFの改善である。日立自らがIOTやAIを駆使して、経営体質を強化し、巨艦ながら経営スピードアップが達成できれば、顧客に対しても投資家に対しても大きいアッピールになるだろう。