インテル・デベロップメント・フォーラム(2016IDF)が8月16~18日にかけ、サンフランシスコで開催されているが、ARMとインテルのファウンドリ部門の提携が発表された。マスコミ報道では、ライバルのインテルとARMが提携するということで早合点、「ライバルのインテルとARMが連携」、「インテルが白旗」、「インテルのMPUにARMコアがのる」、「ソフトバンクもこの提携を織り込んでいた」などのタイトルが踊っているが、誤解を生む。少なくとも一義的には、あくまで、インテルのファウンドリ部門とARMの提携である。http://www.intel.com/content/www/us/en/intel-developer-forum-idf/san-francisco/2016/idf-2016-san-francisco.html
ARMの物理IPライブラリ「Artisan」を提供
具体的には、インテルのファウンドリでも、「ARM Artisan」を使えるようになるということである。既にTSMCやUMCには10年以上前にやっていることだ。TSMCとは2000年に提携、ARMは2004年にArtisan社を買収、ここで物理IPにも広げた。
ようやくファウンドリの必要条件
インテルは、ムーアの法則に乗って、MPUの発展と共にIDMモデルで頑張ってきたが、PC需要鈍化やスマホ向けチップの失敗もあり、巨大なキャパを持て余し、数年前からファウンドリに参入した。ようやくTSMCやGFなどと同じ土俵になったわけである。あとはIDMとしての立場、利害相反だろう。インテル自身のMPUにARMコアをのせるかどうかが別の、まだ先の話であろう。
逃げられるリスクもある
短期的には顧客が増えるかもしれないが、下手をすれば、囲い込んだ提携先が別のファウンドリに逃げ出すリスクもある。
IDF2016の話題
なお、今回のIDF2016の話題は、プロジェクトAlloyというVRヘッドセットも含め統合VR、自動運転、ドローン、AI、5G、データーセンターもあり、満載だ。また、プロセス技術では、10nmは液浸多重露光、7nmも最初は液浸で、EUV導入はまだ先のようだ。