2016年9月18日 アップル・グーグルと公取委、プラットフォーム戦略

 

ネット時代において、プラットフォーム戦略が重要であることはいうまでもないが、日本企業が弱いところでもある。

 

TRONSHマイコンも難しく、コモディティーで頑張るしかないとの諦観があったが

 

80年代から、日本の電機メーカーも、重要性は認識し、これまでも、TRONSHマイコンはじめ、チャレンジしてきた。しかし、過去においては、尽くウィンテル連合の前に敗れ去ったと言っていいだろう。通信分野でも、iモードや、伝送規格の標準化でも国際的なレベルでは壁が大きかった。かつて、ある半導体メーカーのトップは、90年代半ばに、「プラットフォーム戦略は最終的には日米の政治軍事の差にも行きつく、故に、日本メーカーは、米が定めたプラットフォームの上で、メモリなど、コモディティーでのコストや量産効果を期待できる分野で地道に頑張るしかない」と語っていたことを思い出す。

 

コモディティーでさえもプラットフォームは重要

 

しかし、その後、DRAM分野でも、JEDEC標準化の結果、コスト競争に追い込まれ、韓国に敗れ去り、コモディティー分野での優位性も揺らいでいる。

 

ウィンテルのレベルを目指すのはおこがましいとしても、もはや、プラットフォーム戦略を無視することはできないし、自社のドメイン周りでは、オープンイノベーションとの関連の中で、プラットフォームの築き方が重要である。

 

プラットフォーム戦略は政府とのタフな戦い

 

プラットフォーム戦略については、「プラットフォーム・リーダーシップ―イノベーションを導く新しい経営戦略」(有斐閣2005/3アナベル ガワー、 マイケル・A. クスマノ)が、教科書とも言える名著である。

 

経産省の報告書

 

 916日の日経新聞は、「アップルとグーグルが、スマホアプリの流通で競争相手排除も」と報じた。http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS15H2K_V10C16A9EA1000/。これは、アップルやグーグルなどスマートフォン(スマホ)のアプリ流通で大きな影響力を持つ「プラットフォーマー企業(報告書では、アップル、グーグルに加え、フェースブック、Amazonも含め、AGFAとしている)」の取引実態について報告書の中で言及されたものである。また、直接関係がないかもしれないが、東京国税局がアップル子会社に、税逃れを指摘、追徴課税をする模様である。http://www.nikkei.com/article/DGKKASDG16H6C_W6A910C1EA2000/

 

 あるべき産業構造としては、公平な競争政策の観点としても、税の徴収の観点からも、ネット経済化が進む中で、現在のように、一部のプラットフォーム企業に利益が過度に集中、かつ、グローバル化の中で「節税」する例が増えているのは、各国政府やEU等は、問題に思うかもしれない。

 

ネット利用型とモノ作り型

 

 今は、ネット化がどんどん進み、ネットワーク外部性を利用し、プラットフォーム戦略を築く(胴元となる)ことが流行している。

 

太く短く?、細く長く?

 

 この二つのパターンで、どっちが望ましいかは、マクロ動向や、マクロ金融政策などで変わろう。