2016年9月18日 DSPC誕生、「半導体」が「デバイス」に進化変態、中身も政策も

 

DSPC(㈱デバイス&システム・プラットフォーム開発センターwww.dsp-c.co.jp)が、915日、その概要を発表した。日経新聞などでも、連休中の16日の朝刊で小さく取り上げられ、気づかない方も多かったかもしれないし、記事のタイトルも「IoT向け省電力センサー端末を共同開発 東芝など」とあったから、(http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ15HXM_V10C16A9TJC000/)、その意義や重要性は理解されなかったかもしれない。しかし、目立たず小さい一歩だが、これは、「ニッポン半導体」、いや、半導体がデバイスに進化・変態への狼煙だと信ずる。

 

IoT時代の新しいコンソーシアム

 

 DSPCは、2015817日に準備会社を経て、2016729日に設立、資本金4150万円、東芝、アルプス電気、TEL、凸版、荏原などが株主であり、大手電機や半導体だけでなく、装置や部品、ベンチャーが参画している。代取会長は、元東芝で半導体トップとしてメモリー事業を牽引してきた齋藤昇三氏、社長は波多野氏。事業としては、IoT関連デバイスの開発だけでなく、製造販売、社会実装に向けたソリューションサービスの提供、標準化の促進であり、NEDOとも連携、単なる民間開発会社ではない。既にNEDOから33億円でIoT推進のための横断技術開発プロジェクトが予算化されている。

 

 昨年9月末に、半導体業界団体再編(業界団体としては、①JEITASIRIJなどの政策提言や国際対応、標準化などの活動と、②STARCEIDEC等の産学連携プロジェクトがあるが、①はJEITA半導体部会に集約、②はデバイス技術のプラットフォーム開発センターに、集約するようだ)について記した(http://www.circle-cross.com/2015/09/29/2015928-再編で生まれ変わる半導体業界団体と産学プロジェクト/)が、それが実現、動き出した。特に、DSPCは、CPS(サイバー・フィジカル・システム)推進を担う。

 

 すなわち、半導体国家プロジェクトを担ってきたSTARC20165月に、政策立案のシンクタンクであったSIRIJ(3年間諮問委員を務めた)20163月するが、その多くを、DSPCが引き継ぐことになのである。なお、SIRIJの政策提言や標準化、国際対応はJEITA半導体部会へ、業界活性化機能はDSPCとなる。

 

2013年の産業競争力プロジェクトに遡る

 

 背景は、2013年の産業競争力懇談会プロジェクト最終報告での「国際競争力強化を目指す次世代半導体戦略(プロジェクトリーダー齋藤昇三氏」に遡り、意義は、その報告書から抜粋すると、「世界全体の半導体市場規模は約30 兆円であるが、成長の伸びは鈍化し、成熟産業の領域に入ったとも思われる。今後、半導体市場を拡大・成長させ、日本の半導体産業の競争力を強化していくためには、新しい市場を開拓・創造していく必要がある。新しい市場とは、「社会的課題の解決」を目指す「スマート社会」である。」、そこでは、「ビジネス革新・技術革新・政策革新の3 つが一体となった新たな取り組みを通して、新しい価値を創造し、半導体市場の拡大を図りたい。そのために、アプリ・サービス産業と連携した縦型連携の研究開発体制を指向した、技術開発とビジネス開発を行う場として「新会社」の設立を提案する。」、その市場開拓と創造の場はIoT市場であり、主体がこのDSPCである。

 

日本の半導体国家プロジェクトは、90年代以降、結果を出せなかった

 

世界の半導体業界も制御不能

 

新しいコンソーシアム、新しい業界団体の在り方

 

テーマは先進的

 

今後は体制面が鍵