2016年10月13日 サムスンのノート7問題の続報、①需要はどこに行くか、②下方修正、③原因と真因遠因

 

 サムスンのノート7について、幾つかニュースや記事が出ているので紹介、分析したい。

 

ノート7の客はどこへ行くか~調査会社TrendForce社レポート

 

以前、アンケートで中国では、ファーウェイという見方が多かったが、TrendForce社レポートでは、アップル、ファーウェイ、VivoOPPONote 7の需要が流れるとの見方を示している。

 

また、市況に関して、タイトだったOLEDの需給はサムスンが大半であり、ミッドレンジ等の他の機種に転用を考えているため、他社に回ることはなく、他社にとって調達不足は続くとしている。また、DRAMNANDも市況は強いとしている。

 

影響は注視すべき

 

この見解に対し、他社へ1000万台規模の需要が行くのは同意だが、ファーウェイ等は調達不足もあり、実際にはVivoなどが多いのではないか。需給に関しては、OLEDあるいはLCD、さらにDRAMNANDも要注意である。特に、NANDでは3DTLCの認定は限定的だが、これが広がると価格は下落しよう。直前まで、交換で対応するためか、部品メーカーに増産要請もしていたようであり、混乱は避けられない。先週末に、部品メーカーに正式に通達されたようだ。また、来期のサムスンのフォーキャストがどうなっていくかがより重要である。

 

サムスンの下方修正

 

 3Qの業績を下方修正した。売上4947兆₩、OP7.85.2兆₩、ゆえ、売上で約1850億円、OP2200億円分、リコールの250万台分は1台販売価格10万円だがメーカー出荷価格を7.4万円とすると、1850億円となる。あと350億円は対策その他の費用だろう。

 

会社側は、これで全部落としたというが、生産は400万台なので、あと150万台の廃棄で1000億円はかかる上、リコール費用、対策費用、10-12月の機会損失売上7000億円以上、OPでも数千億円は必要だろう。

 

原因~国家技術標準院の現場調査報告書ではRの設計値がない

 

原因については、既に、何度も指摘しているように、制御ICの充電率などソフトの設定と、無線給電、筐体の強度や熱設計、電池容量とのバランスの中の設計問題であろう。アップルも、無線給電の噂があったが、サムスンを実験台にしたともいえるかもしれない。

 

新たに、韓国のマスコミ報道では、国家技術標準院は現場調査報告書で、角の部分のRの設計問題だとしているようだ。

 

真因遠因は経営にあり、サムスン自身が発火のリスク

 

ただ真因は、もっと深い。

詰込み過ぎて爆発するのは、今度はサムスン自身かもしれない。