2016年10月15日 11月から急な冷え込み~サムスンショック

 

サムスンの業績については、その後、いろいろ憶測記事が出ており6000億円や7000億円の損失というのもある。営業利益のマイナス影響は3000億円程度だろうが、リコール費用、仕掛廃棄、訴訟、減損、もろもろいれると、特損が3000億円以上あろう。回収キットだけでも巨額である。今期12月まで、と来期1-3月までを含めるかでも違う。むしろ、当面、四半期3000億円の営業利益マイナスと見るべきかもしれない。あと、ノート7の開発費や投資、さらに、次機種の開発費も減損だろうから、それをどう計上するかサムスンの意志である。

 

今期で全部落とすなら1兆円規模もあり、そうなると、電機メーカーの赤字としては、日立の2008年度の純損失、東芝の2015年度の営業赤字の記録を超える可能性もある。

 

来期もそれなりに精査してからなら、来期も厳しい。金額の多寡より、その中身やサムスンの姿勢を見るべきだろう。今回の件で、電池や熱設計機構設計、充放電制御などの技術を習得すれば、強みにはなる。他方、ファンドの要求もあり、政府は、財閥解体に動くかもしれない。

 

サムスン・ショックの影響

 

 このショックの影響は、活況なデバイスや、設備投資にも影響するだろう。ノート7のユーザーは、アップルその他にもシフトし、プラスだが、他方で、サムスンだけの問題でなない、という不安が広がれば買い控えにもなる。iPhone7/7+の売れ行きは、前回と比べ、五十歩百歩ながら、それほどでもなく、サプライチェーンは冷静になっていくだろう。

 

 よって、市況は、11月から急速な冷え込みが、部品も装置も始まるだろう。