2016年11月2日 カシオ計算機の上期決算~下方修正よりネガティブな事

 

カシオの上期決算説明会11217~18時に参加、プレゼンは、業績関係が、樫尾社長、新規事業が樫尾会長、質疑は、主として、高木専務と樫尾会長、樫尾社長は殆どなかった。

 

厳しい下方修正での試練がトップを鍛えるのだが

 

こういう下方修正の時の質疑対応が、経営トップに対する判断材料にもなり、また新トップにとっても格好の経験になるのだが、リーダーシップを発揮して、社長が答えるのではなく、会長とCFOが回答し、非常に残念だった。

 

業績は上期再下方修正、通期も下方修正

 

 上期は売上17001567億円、OP200135億円、NP11564億円、1Q時点に続き下方。通期は、1Q時点では挽回するとのことだったが、やはり下方修正、売上37003300億円、OP480305億円、NP330180億円。上期より下期の下ブレが大きい。

 

下方修正要因

 

 上期は、y/yOP82億円減益だが、為替が70億円(1Q202Q50となる)、熊本地震影響4億円、システムのリストラ8億円。通期のOP175億円の下方修正要因は、中国市場低迷95億円、熊本地震調達9億円、システムリストラ35億円、新規事業立上げ遅れ35億円とされた。上期は、下方修正要因でなく前年比の話なので分かり難いが、CMOSセンサー調達問題は、ソニー説明会で前倒し改善とされ、違和感があるが甘かったのだろうか。

 

新規事業より時計や教育にフォーカスすべき

 

 会長からの説明の新規事業は、①2.5Dプリンタ、②経営ノウハウの商品化、③リスト端末、である。具体的な話は、6月の展示会もあった、2.5Dプリンタである。それなりに需要はあろうが、B2Bが中心で専用端末は安くなさそうである。中途半端に立上げ、大きな先行投資負担だけ残らないか心配する。

 

むしろ、こうした新規事業よりも、教育事業で説明があった学生市場拡大、検定などと連携した社会人向け市場開拓、はビジネスモデルの変化も含め期待できそうだし、そこにフォーカスすべきではないか。