11月2日9時半~11時過ぎまで決算説明会に参加、質問もした。プレゼンは、澤村社長、佐々山CFO、LSIの松本氏、ディスクリートの東氏。プレゼン資料は澤村社長の分のみだが、佐々山CFOの資料も明快になり、松本、東、両氏は相変わらず詳細で熱がこもっている。最前列ではカメラで撮影しているケースも多く、CFOの分はもちろん、全部、配布し、配布しない部分は撮影禁止にした方がいいだろう。
業績サプライズはないが堅調
既に上期のみ10月11日に、売上1720→1710億円、OP76→140億円、NP56→70億円と上方修正されており(http://www.rohm.co.jp/documents/11546/3282191/161011_news_j.pdf)、上期は更にこれを上回る水準、通期の上方修正は必至であり、「上期中に通期のOP140億円を超える可能がある。年間でも200~250億円は可能だろう。」とコメントしていた。上期売上1718億円、OP157億円、NP81億円、通期売上3340億円、OP235億円、NP120億円。全体的にクルマが堅調、円高や景気の不透明感が増すなかで、どこまでの上方修正になるかが鍵だったが、無難なところであろう。為替は11月以降100円/$想定、影響は上期39億円、通期144億円だが、海外のコスト削減効果も年間30億円以上ある。
IOT活用でCapexが減り人員活用も効率化
SGAは通期75億円下げ、Capexも510→430億円、Dep500→415億円。これは、不要不急のものを延期、また、IOTの活用で古い装置が延命した上、効率がアップしたようだ。
セグメント別
セグメント別では、1Qと2Qは、ほぼ同傾向だが、円高もあり、LSIとディスクリートは、ややOpmが悪化、モジュールや部品はスマホやウェアラブル向けが季節的に増え改善。
経営重心®
今後、ロームが、車・産機、また信号系からパワー系へシフト、また今後は、MEMS等センサーやIOT化の中でモジュールも増えれば、経営重心®は、右上から左下へシフトしよう。ドメイン広さもずっと小さくなっていたが、今後は広がってこよう。
業界再編
ロームは、インテルと連携しており、NXPや、ルネサスとも事業上、関係が深い。それゆえ、ソフトバンクのARM買収では、インテルが難しい情勢とすれば、インテル派かもしれないロームとしては影響がある。また、NXPも、Qコム(TDKと連携)に買収されやはり影響があろう。ルネサスが買収したインターシルは、アナログやパワーでロームに近い。
EV/EBTDA
なお、ルネサスの3000億円でのインターシル買収はEV/EBITDAが40倍近いが、ロームは4倍程度、ルネサス自身が5倍程度である。