NITTOの2Q決算テレコンが10月31日あった。いつも通り、説明は武内CFO、IR板倉氏など。今回は業績下方修正もあり、トピックスは核酸医薬米2社買収に少しふれる程度。板倉氏からの数字開示。質疑では、オプト関係がやや多いが、核酸医薬に関するものも多かった。現在のカバレッジは、大半は化学素材アナリスト、電子部品アナリスト、医薬担当者はこれからだが、電子部品アナリストでは難しいだろう。日経報道でもまだ電子部品セクターとして村田等と並び比較されているが、違和感がある。
業績下方修正
2Q業績は売上1865億円、OP175億円、NP135億円、q/qでは増収増益だが未達。上期としては、売上3700→3549億円、OP400→292億円。セグメント別では、インダストリアルテープが売上1600→1489億円、OP150→114億円、オプトロニクス売上1950→1934億円、OP200→143億円、M&M売上300→280億円、OP80→83億円。要因は円高で30億円、テープではスマホ向け粘着テープの調整、オプトもスマホが後半は盛り返したが前半が厳しくmixも悪化。テープはやや意外だがOpmは1Qの7%から8%に改善はしている。オプトも、半導体設備投資旺盛でプロセス材料の貢献があったにせよ、1QのOpm5%強から9%に戻した。なお、M&Mはビジネスモデルが異なるので単純比較はできないがOpm30%前後。
通期は売上7700→7200億円、OP900→700億円、NP700→500億円、セグメント別では、インダストリアルテープが売上3300→3100億円、OP330→280億円、オプトロニクス売上4090→3800億円、OP440→340億円、M&M売上620→600億円、OP170→170億円。下期の下方修正要因は円高が60億円、その他、M&Mであり、テープ、オプトは、円高以外にはない。なお、OPの円高影響について、これまでは、1円で年間20億円としてきたが、24億円に増加、米が多くなったため。
景況感の認識
下期の詳細については、明言を避けたが、偏光板は上下で微増だが為替次第とした。
2Qはまずまずだが、3Qが勝負
テープは今後に期待
通期から来期
今回は、円高もあり、下方修正は、それほど驚きでもない。むしろ、まだ市況次第では、リスクもあるだろう。ただ、来期に向けて、OLED展開が重要だろう。
OLEDパネル向けでは、偏光フィルムは2枚から1枚に減るが、①反射防止の1/2λ高付加価値、②フレキ化でタッチパネルはアウトセル型フィルムで、フォースセンサー機能追加でITOフィルムが貢献、③フィルム接着剤、などチャンスはあろう。
影響試算更新
今回、OLED化による影響試算を更新した。
今回のケースでは、偏光板について、マイナスはそれほど大きくなく、ITOフィルムのプラス効果が大きい。むしろ、この価格前提次第である。タッチパネルでは日本写真印刷のキャパ動向や歩留まりも鍵を握る。更に、ITO以外のライバル技術も出てきており、安心はできない。