2016年11月8日 太陽誘電の2Q決算、村田との戦略の差

 

11716時半~1715分でテレコンに参加、後で再度、録音で確認。説明は増山常務が15分で簡潔かつ詳細、質疑対応は、佐瀬常務、福田氏、IR木本氏など。

 

村田との3つの違い

 

 今回の決算は、先日の村田の下方修正、その中でのコンデンサやSAWデバイスの市況の変化のコメントもあっただけに、村田との差異、が注目されていた。

 

業績はOP堅調だが為替差損

 

 2Q業績は、前回1Q決算での想定範囲であり、売上596億円、OP32億円、中国スマホ向けにFBARSAWデバイスが好調で予想以上。上期でも、売上11301130億円、OP5053億円と円高の中でも上ブレだったが、為替差損21億円、固定資産除却損11億円あり、経常利益、当期利益は下ブレ。

 

 通期は、売上2250億円、OP100億円は不変だが、上期までの為替差損を反映してRP9075億円、NP4030億円、なお為替前提105102/$。売上では、コンデンサとフェライトが、それぞれ60億円、20億円減額、複合デバイスは70億円、その他10億円増額。

 

こまめに稼働と在庫調整

 

 2Qの受注は334億円と強いが、稼働率は8590%とやや抑え、在庫をQ/Q28億円減らし、受注残を減らした。強気なようで、市況やマクロ動向を見て、在庫や稼働率を微調整しており、またIOT活用で生産性も上がっている。

 

中国スマホが好調、FBARタイト、IOT活用

 

中国スマホが想定以上、そこに採用多いFBARが強く、また、Qコムとライバル関係となった村田、関係強化のTDK、に対し、中立を維持、モジュールでなくディスクリートで対応、が奏功した面もプラス。IOT活用で生産性改善。

 

売上1兆円の壁を分けたM&Aと社長の任期

 

 部品業界(一部、アナログ半導体も含む)を縦軸に売上、横に経営の上で、M&Aの多寡、社長の任期をとると下記のようになる。SPEでも、売上の「空乏層」があったが、部品では、3000億円と1兆円の間が相当する。

 

太陽誘電の経営重心®分析

 

 なお、太陽誘電の経営重心®を試算すると、下記のようであり、二つのコアがあり、かなり村田や京セラ、ロームと異なる点が興味深い。経営重心®広さは一定だがやや広い。重心は、左から、やや右上シフトであり、スマホ依存度が増えている。