2016年11月8日 ニコンの2Q決算と100年に一度の大改革

 

118日 1645分より1815分まで、2016年度2Q決算及び構造改革プラン説明会に参加、質問もした。今回は、マスコミと合同。出席者は、牛田社長、岡CFO、経営企画の浜田氏、精機の馬立氏、映像の御給氏、経理財務の萩原氏。

 

最初に岡CFOの業績及び構造改革のプレゼン、その後に牛田社長の、経営責任についての謝罪、挨拶コメント、その後、マスコミから15分弱、その後、アナリスト投資家より質疑。

 

天は自ら助くる者を助く

 

 既に1Q決算で岡CFOの説明や質疑の中で構造改革は予感されたが、思い切ったプランである。今期の業績は、OPは上方修正であり、無理すれば先送りできる。さらに、また中計の途中である。苦渋だろうが、潔い思い切った判断だろう。それだけ、中期への危機感が共有されているのだろう。表面の数字よりも、中計の変革の中身や質に踏み込み、そこを見極めているようだ。

 

プレゼン資料にもある「目標設定自体の妥当性にも問題があったことを反省し、期間中ではあるが、現行中期計画の継続を断念する」は、普通、公式に表明できるものではない。自らの反省の弁と、中計の断念宣言もあまり前例がなく、多くの企業もかつての日本の敗戦もそうだが、普通はボロボロになり再生を図るが、ニコンは、珍しく自浄能力、自立再生能力がある会社だと感心した。

 

再生のための100周年

 

 2010年以降、半導体装置事業(以下SPE)の問題は、社内も含め、多くの関係者が、感じていたが、これまでは、映像事業(以下デジカメ)が頑張って凌いできたが、デジカメも市場縮小の中では限界である。そして、そのタイミングは、OLED投資でFPDが好調であり、財務基盤も強い今しかないだろう。

 

リストラ費用で止血

 

今期のリストラ費用は今期一時費用で480億円、詳細は明かにしなかった。

 

SPEの改革

 

今回、大きく構造改革をするのは、SPEであり、液浸の開発は縮小だが、液浸を撤退するわけではなく、あくまでビジネスモデルを変えることにある。

デジカメ

 

デジカメも縮小する市場の中でまず固定費を下げるのは同様だし、本社もケジメをつけるのは理解できる。ただ、デジカメ市場は、どこが底か、どういう分野に絞るかは不明だ。

 

本社その他

 

今回、やや気になったのは、メディカルなど新規部門の遅れである

 

光学再編

 

 今回、最も注目されたのは、光学部品の生産技術強化、すなわち、社内各部門に分散している生産機能集約である。

 

業績はOP上方修正

 

 2016年度の2Qはやや上ブレ、上期は、売上36003437億円、OP230233億円、NP150177億円、FCF174億円。

 

通期は売上82008000億円、OP460490億円、NP300→赤字60億円、FCF450億円、為替は105/$117/€へ。