11月9日10時半~11時半で、アナリスト協会主催の説明会に参加、質問もした。IR担当者の柏井氏より簡潔に業績説明の後、古橋社長による詳細な解説、質疑。なお決算そのものは11月4日に発表済。
同社は、売上の1/3前後を任天堂、2割前後をサムスン、2割前後を車載が占めており、ゲーム動向、ノート7の影響、また車載動向を知る上でも参考になる。特に、今回は期初から、円高で通期の大幅回復は難しいとの見方も多かったようで、二大ユーザーのトラブルが多い中で注目されていた。
大健闘の2Q決算
上期は、売上590→575億円、OP赤字3→4.5億円、為替差損32億円ありNP赤字36億円は、一見、下ブレ不振に見える。しかし、1Qが売上280億円、OP赤字5.7億円から、2Qは売上300億円、OP1.2億円に黒字化であり、実は大健闘だろう。セグメント別でも音響、表示素子は黒字化、ゲームが下ブレした機構部品、複合は赤字。
年間は不変
通期は売上1520億円、OP22億円は不変、経常利益以下は為替差損もあり下方修正。OPは上下で30億円の増益が必要だが370億円の増収である上、人件費減、ゲームの下期集中の増産効果もあり、十分に可能だろう。
セグメント別
下記のようなマトリックスで考えると分かり易い。ゲームはEMS的組立が多いが、そこで稼ぐよりは自社の部品を如何に入れるかが鍵。
ゲームは下期改善
ゲームは、「WiiU」も、「3DLL」も厳しく、1Qが60→55億円、2Q100→75億円と下ブレだが、期初から想定しており、大きなショックではないようだ。
スマホは微妙
スマホは前年並だがサムスン向けは好調でN7向けは7月以降開始、事件発覚後も増産要請もあったようだ。上期は予想以上で、N7のマイナス影響はなし。下期は、流石に影響は大きいだろう。
クルマは高成長
クルマは、計画通りで堅調、①音響(マイク/スピーカ)、②表示(STN-LCDから静電TPへ)、③機構部品(コネクタ、ケーブル、スイッチ)などがある。中期ではデジタル化対応で期待。現在殆どのコネクタがアナログであり、ADAS化の中で代替が始まる。生産拠点も集約化してきたが不足気味であり、営業拠点も拡大。
中期成長の鍵
改善の鍵は、売上面では、ボラの低いクルマを増やし、音響の付加価値アップとタッチパネルと連携でハプティクスも視野に入れること、コスト面では、人件費負担が重くなりつつある中国中心の生産体制の見直しや、自動化だろう。
電子部品メーカーの売上マッピングでは、3000〜1兆円の間が空乏であり、1兆円以上と3000億円以下の差は、何度か指摘しているが、社長の任期とM&Aである。
ホシデンは、オーナー系であり、社長の任期は条件を満たしているが、今後、検討すべきがM&Aであろう。