ツガミの決算説明会が11月11日13時半〜14時半で開催され、参加し、質問もした。プレゼンは西嶋社長、質疑もほぼ対応。派手さはないがプレゼン資料は充実しており、注意深く聞けば豊富な情報、質疑も親切・親身に回答。。
同じ老舗名門だった池貝との運命の分かれ道
工作機械の老舗名門であり、やはり老舗の池貝(長年不振だが一時、大山氏が再建、しかし2001年に経営破綻・上場廃止、その後、台湾企業傘下)、多くの優れた機械を出してきた。2000年以降は、原価率80%以上が常態化、資産効率も悪く危険水域だったが、今の西嶋氏が2003年に社長に就任、再建に尽力、2005年を境に原価率も改善、新製品が増えるなど改革が進み、2011年度にはスマホ向けにも参入した。こうした改革が無ければ、大山氏が絡んだ池貝と同様の運命だったろう。
スマホに参入、業績サイクルは2年?
2011年度にスマホ向けに参入したが、それ以前は、安定したクルマ向け等200億円程度の上にHDD向けが数十億円から100億円程度で変動していた。最近は、安定したクルマ向け等の上に、スマホ向けの変動が極めて大きく、業績はスマホサイクルに近い。iPhone5が出た2012年度は、売上528億円、OP84億円、NP42億円とOP最高益更新。iPhone6が出た2014年度も売上541億円、OP73億円、NP55億円、OPはやや及ばなかったがNPで2005年度の最高に肉薄。スマホの裏期には売上が激減するが、OPでは黒字を維持しているのは立派。また、頻繁にタイミングを見て自社株買いをしているのも素晴らしい。
業績は良くも悪くもなく
2016年度上期は、売上200→184億円、OP15→15億円、NP9→7.3億円、通期は430→400億円、OP35→35億円とほぼ凪。為替差損や中国法人の為替換算の差。工場再編で特益特損が出る可能性。
足元は、クルマ向けが10月以降悪化、欧州もよくはない。インドはミニバブルの様相のようだ。中国は斑模様。スマホは、いろいろ動きはあり、工場の稼働率も、二極化。同社と取引があるところは、フルだが、全く動いていない工場もある。HDDは不振。
スマホ向け
同社はケースの加工は手掛けてないが、ケースのガラス化も含め、内部の金属部品がレンズ周りなど小物高精度の加工が増えておるようだ。
工場再編
同社は、これまで国内は、新潟に3工場、信州、海外は中国、インドであったが、休止中の信州をシチズンに売却、新潟も3工場を長岡に集約。長岡は、周辺にモノ作りに向い関連業者が集積、人材レベルも高い。
体質強化から飛躍へ
この10年強で、会社の体質は強固になり、次の成長サイクルで、どこまで規模が拡大できるか、また、M&Aの使い方、トランプ政権での地産地消の進展への対応だろうか。