11月14日15時〜16時の上期決算説明会に参加、質問もした。決算は先週11日に発表済、業績数字に驚きはないが、順調に受注残が増えており堅調、年間上ブレもありえよう。ただ、今回は、それよりも、縦型蒸着機の発表が重要であろう。
決算好調で受注残が直線的に急増、今期は上ブレへ
上期決算は売上188億円、OP24億円、NP11億円。受注残は6四半期連続で増加580億円、ピーク更新中、受注はタイミングでふれるが、受注残の単調増加はしばらく増えそう。
今期見通しは、売上450億円、OP40億円、NP19億円で不変だが、実態は500億円以上の売上も可能だろうし、利益も上ブレの可能性があろう。
トッキの蒸着機とDNPのインバーテンションマスクの問題点
OLED産業の本格成長に向け、技術課題は蒸着機とマスクであり、現在、先行するサムスンが採用しているトッキ蒸着機とDNPのインバーテンションマスクも、多くの課題を抱えており、アップルも指定しつつも問題を認識しているという。
縦型蒸着機を発表、FHMあってこそ実用化
その中で、今回、紹介された同社の縦型蒸着機はFHMマスクの組合で画期的であるのではないか。もともと、縦型は重力でコンタミが落ち、クリーニングや有機物管理が楽、省スペースなどメリットが多く、過去に、同社以外にも日立造船等でトライされていた。http://www.hitachizosen.co.jp/news/2007/02/000346.html
しかし、マスクがFMMでは、重量が70-80kgと重く制御が難しい上、たわみや歪も大きくなり、実用化の壁となってきた。しかし、FHMでは、重量が1/10、タワミや歪も数分の1、熱遮蔽の容易で、温度誤差も5度から1度が可能になり、縦型が可能になった。
ビジネスモデルについては、試作ラインを作って実証してから考えたいようだ。また、実証され、注文があれば、キャパはどうにでも対応、トッキのようなことにはならない、とした。
今後、この縦型蒸着機+FHMを、どう普及していくかが、OLED産業本格成長に重要となってきた。シャープやJDIあるいは、中国、LGなどの出方が注目される。